犯人の心理

私はこの事件を知った当初から、漠然と過去の重大事件と世田谷一家の犯人像がだぶってみえていた。それを 明確に検証して説明してくれている記事を、見つけることができた。この記事が書かれたのは、事件から1年半ぐらい後のもので、当時の空気感が今よりもハッキリ伝わってくる。私もなんとなくそう感じていたことを、実に説得力のある実例をあげて説明してくれているのだ。できればこの内容を明確に理解するのためには、少々長いが 一つ前の記事 から読んでみるとより理解が深まることになるだろう。そこで今回は、この記事に目を通して頂いたことを前提に、特に共感しうる幾つかのキーワードについて考えてみたい。

『人(弱者)を殺して(壊して)自分も死ぬ(壊す)』

事件の詳細を知って、真っ先に感じたのは、女性・子どもなど弱者を狙った殺人 ではないかということ。それは、みきおさんや礼君よりも、泰子さんやにいなちゃんへの殺害方法がより酷いと感じられたから。特に中2階踊り場での凄惨な状況以上に、犯人が最初に二人を襲ったロフトでの状況からをそれを読みとることができる。そこには、にいなちゃんの歯茎がついたままの歯が砕けて転がっていたという。それは早い段階から犯人が、幼い女の子に対し容赦のない危害を加えていたことを意味する。また遺体に残されていた無数の傷の半分は、死後に傷つけられたものだという。ここから考えるに、犯人の主たる目的の一つが、ここに書かれているように、人を壊す遺体の損壊にあったのではないかということ。そしてそれらの行為は、過去の猟奇的事件に多く見られる傾向なのだという。

エスカレートしてゆく虐待

これらの事件の場合、動物虐待など前兆が見られるものだという。そしてそれがエスカレートして行き、やがて人を殺めてみたいという衝動を抑えられなくなる。この世田谷一家の事件でも、現場周辺である祖師谷公園では猫の虐待が幾つか事件前に報告されていた。それは、やはりこの事件と深く結びついていたのではないかということ。仮にだ、もし みきおさんが、大柄な体格の人だったのならば、この事件は起きなかったかもしれないと私は考える。もしくは、みきおさんがいない時を狙って行われたのではないかと。恐らく犯人は、相手が大人でも体格で自分より劣る みきおさん の存在を知り、みきおさん相手ならば自分の目的を達成できると考えたのではないかということ。少なくても みきおさん 自体は興味の対象ではなかったようにも感じられる。しかし犯人の心理には、幸せそうな家族をめちゃくちゃにしたい という強い願望があり、それを達成するために4人が揃っている必要があったのではないのだろうか? 

別の殺害(破壊)方法に興味

もし礼君の絞殺が、物理的・状況的な理由よりも、違う殺害方法 を試してみたいという衝動から出た可能性があるということ。みきおさんの殺害も同じ包丁を使っての殺害でも、上から頭蓋骨に振り下ろしたり、その後も滅多刺してる。これは、最も行為の障害になるであろう みきおさん をいち早く消去したいという気持が強かったからではないかと。そのため 泰子さん や にいなちゃん の殺害のときのような、じっくりなぶり殺すようにして殺害を楽しんでいたフシはみられない。

人の頭部に対する執拗なこだわり

これは、以前からこの事件の話になると話題になること。日本人の場合、大抵は腹部を刺すのが特徴なのだが、この手の事件の犯人はやたら頭部や顔へのこだわりや執着を魅せるのだという。しかし頭部へのこだわりを魅せながらの未解決事件は特異な例で、関連性が疑われている 埼玉の岡部さん親子放火殺害事件や 数年前に起きた 湯河原の障害者女性の放火殺害事件、そして私が最もこの事件との関係性が深いのではないかとみている 豊明母子4人殺人放火事件 など以外は、そのほとんどがすでに解決している。それだけそういった人物は、周辺から浮かびあがりやすいのかもしれない。いずれにしても犯人は、犯罪では珍しい頭部への攻撃・執着が顕著にあらわれているということ。そして殺害後、遺体を損壊するという行為に興味の対象が移っていったのではないのだろうか。

多くの遺留品を残すも、そこから解決に至らない

これらの犯人の傾向として、「かなりの知能犯であり、また周到な準備のもとに実行されているのです。」 とこの作者は述べ、また遺留品からは犯人にたどりつけないだろうと事件から1年半の時点で予見している。実際遺留品を辿っても、16年経っても事件解決には至っていない。

そして事件前から、用意周到に準備を練って事件を起こしたのではないか、そういった不審者の目撃情報は世田谷の事件でも幾つも報告されている。特に私は、黒ムツさんの最初の書き込みは、明確に 世田谷一家の事件の犯行予告 だったとみているので、書き込みのされた、12月27日の時点で殺害を予告し、この事件を起こすことを決意したのではないかとみている。何よりもそれを明確に匂わすのは、隣からみた幸せそうな家族、というワード。すなわち入江家の息子さんの視点から、黒ムツさんの書き込みはされていたこと(年齢も合致)。そのためには、入江さんの息子を以前から知っていた人物、あるいは宮沢家を調べてゆくうちに隣の息子さんのことを知り得た人物だということになろうかと。実はこの事件は、宮沢さん一家 と過去の繋がりのある人物を探すよりも、入江さんの息子の存在を知り得る人物・接点のあった人物 そこから辿った方が犯人に辿りつけるのではないかとさえ私はみている。

黒いハンカチや六という文字へのこだわり

この手の犯罪には、自分なりの神がおり独自の信仰・こだわりが観られることが多々あるということ。それは、この事件においても黒いものへの執着、六 という文字への関連性が見え隠れしている。警察が地蔵にこだわるのは、その関連性に気がつき 地蔵の裏に 六 という文字が彫られていたことも大きかったのかもしれない。ただしこれらは偶然なのかもしれないので、そう決めつけるのは危険かと。ただしそういった独自の信仰があったのかまではわからないが、黒という色と六という数字に、強い関心があった可能性は否定できない。

犯人は近隣住民

もしこの犯罪が、この時期に多発した 17歳 前後の少年犯罪だった場合、事件は現場近くに住むものによる犯行だった可能性が高まる。それゆえ警察も、そういった犯罪だと考え、現場近くに住む若者の犯行 という捉え方をして捜査を進めてきたのだろう。当然この事件をこの時期多発していた少年犯罪の一貫として捉えてみれば、警察がそういう判断をしたのは極自然のことだったように思う。

犯人は殆ど引きこもりのような生活?

「てるくはのる」の犯人も「酒鬼薔薇聖斗」もの犯人も、ほとんど外出しなかったために、周囲からまったく疑われることがありませんでした。どうやら家族でさえ、気がついていなかったようです。

と述べている。しかしこの作者は、次のようにも述べている。「また、いつまでも捜査が長引けば、同じ犯行が繰り返される可能性があります。猫殺しと同様に、人殺しも、一度では終わらないからです。何としても新たな犠牲者が出る前に、解決しなければなりません。」 と。しかし16年もの間、この事件の犯人と明確に類似したもの、関連性が深いと思われる事件は起こっていない。そしてこういった犯人は自己顕示欲が強く、必ず犯罪をエスカレートし繰り返してゆく傾向がみられるからだ。

そう私が最もこれらの犯人像を考える時に引っかかるのは、似たような事件がその後殆ど起こっていないということ。そして何かしら類似した事件を起こしているのならば、必ず現場から検出されるであろうDNAから一致するものが出てくるはずなのだ。それがないとすれば、この方向から犯人を考察するのは誤っているのか、あるいは 犯人はすでに自分を壊す(自殺している)という行為に走っているのではないかということになる。

(見解の違い)

ただしこの記事を読んで一つ、私の見解と大きく異るものがある。それは、最後は自分を壊す という部分。この手の犯人は、目的を達成することで自己完結し自殺に走ることが多いと他でも訊く。しかし私はむしろ逆の印象で、ほとんどが極力見つからないように最善を尽くし、捕まるまで生きていることが多いということ。命を絶ったものの多くは、捜査が自分に近づいて逃げ通すことができないと思ったときではないかと。もし世田谷の犯人が命を絶っていたとするならば、捜査が犯人に物凄く迫っていた。もしくは、家族など第三者に事件のことを悟られてしまったとしか考えられない。しかしそういった時でも自殺では、事件性を考慮し警察は遺体の指紋やDNA情報などは採取していたと思われる。特にこの事件があった後は、警視庁管内の自殺者に対する情報収集は入念に行われていたのではないかと。そこからも浮上してこないということになると、日本国外、警察の捜査の及ばないところに死体がある、まだ見つかっていないなどの理由がないかぎりは、犯人が命を絶っているという可能性は低いのではないかと。ただしこの事件が組織だった複数犯による犯行だった場合は、逆に明確な証拠を残してしまった実行犯は消されている可能性があるとみるべきではないのだろうか? そしてその遺体は、未だに発見されていない場所にあるのかもしれない。

(ただし)

この事件の状況を見れば、過去の猟奇的殺人と犯人が明確に重なってみえてくる。これはスケボーと関係していた人物 と同じぐらい関連づけたくなる。そして警察も、この方向性から犯人を絞り込む作業をずっと行ってきたのだろう。それでも、16年経っても犯人までたどり着けなかった。スケボー関連からも、この手の類似する犯人像からも。

犯人が捜査陣の上を行き、あえてそう導くように現場を偽装したのか? それともこの方向性の先に犯人はいるものの、何かしらの理由で捜査の網をすり抜けたどり着けなかったのだろうか?

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礼君の件、違う殺害方法を試してみたかったは、目から鱗です。成程と唸りました。

こんばんは。夜分にすみません。確かに過去の猟奇殺人と方法は似ていますが、過去の事件の被害者は善良な市民、女、子供でありました。が、この事件については、みきおさんが、調べれば調べるほど、謎というか、以前、管理人さんも書いていたように、次から次へと、スケボー、暴走族、不審者など、危ない目に遭っていますよね。何となく、この事件に関しては、にいなちゃん、泰子さんという弱者への犯行というよりは、みきおさんの性格、仕事、誤解されやすい人間性が導きだした災いのような気がしてなりません。

管理人さん考察で、目から鱗の殺し方ですが、3人とは格闘の末(例え、女子供とはいえ、生きて動いている人間)ですから、殺害方法が限られますが、礼君は寝ていたわけですから、犯人にしたら、刺し殺してもよし、首を絞めてもよし、で、今までと違う殺し方を選択したという考え方は、確かにありますね。

コメントされている方もいますが、私も、みきおさんは、良い意味で型に、はまらないという、ある種、一般人らしくないところがあると思います。そして、隣家もです。泰子さんの姉ですが、作家さんで、ペンネームまで持っているというのは、一般的に少ないです。世田谷という土地もそうですが、ある意味、タレント、有名人みたいな感じが、一家や親類には、あるような気がします。

さまざまな殺害手段をあえて実行したのではないかという考えは盲点でした。
仮にそうならば明らかな快楽殺人という事になると思いますが、
快楽殺人は性衝動と似通っており、
犯行後一時的には満足しても再び殺人衝動に駆られるはずで
今のところ世田谷犯と思われる明確な再犯事件が起きていない事は謎ですね。

個人的には場当たり的、行き当たりばったりな
殺害方法だったのではないかなと思っていますが…

No title

本文のテーマと直接の関係はないかと思いますが、私が以前から気になっていたこと。

ー宮沢さんの家の構造は、おかし過ぎないか・・・。

毎晩、はしごで上がった屋根裏部屋で寝る・・・。
夜、トイレに立つとき、はしごを降りてトイレに行く・・・。
睡眠が深くて、寝ぼけ気味のときなど、はしごから足を踏み外したりする心配はしないのか。

先日、「龍馬の黒幕」という本を読んでいましたら、「志士たちが過ごしたグラバー邸の『隠し部屋』」という写真が掲載されており、「天井裏にあるこの部屋には、梯子をかけなければ入れない。」という注がついていました。この本の趣旨自体が、維新の志士たちはグラバーの秘密エージェントだったとするものですが、この写真を見て、「どこかで見たような写真だな。そう言えば宮沢さんの・・・」と思った次第です。

No title

この事件は、いろいろな方向性から考えられるので、どれだと断言できるものはないのですね。物凄く犯人が知能犯で、あらゆる可能性に考えられるように偽装をさせていたのか? それとも我々理解では図れない独特の思考の持ち主で、常識が通用しないだけなのか?個人的には、後者だと思っています。

何処まで計算してやったのかは正直わかりません。しかし物凄く強運というか、犯人にツキが、宮沢家にいろいろな意味で不運が重なってしまった感は否めません。場当たり的なことが、うまく転がった部分も否めないのではないかと(犯人になりに筋書きは描いていたようには感じられますが)。

宮沢家の構造が独特なのは、みきおさんの設計によるところが大きいですね。しかしこの家は、隣とのプライバシーを保つために、物凄く考えられて作られていると思われます。子ども部屋(元々は二人の寝室だったのでしょう)やお風呂場などは、あえて入江家との騒音を配慮して中二階を設けて、防音や目線に入らない作りに両家が接する部分はなっています。

屋根裏部屋は、元々は本当に屋根裏部屋のつもりだったのでしょう。子どもが後からできたことでアソコに寝室を設けないといけなくなったのかと。もちろん、何か別の用途があった可能性もありますが、そういった形跡は発見されていないように思われます。

私が不思議なのは、玄関しか入り口がない点。普通の家は、勝手口など別の入口を設けます。まぁ台所が2階にあったのもあるのでしょうが。もう一つは、入江家ともども、すべての部屋で雨戸がない点です。東京生まれるの両家が、雨戸を設けなかったのは不思議です。むしろ何かあった時に、密室状態にならない外の視線を意識させる設計で、それを回避するように作ったとしか考えられません。

死ぬ様なタマは現場でウ●コなんかしませんよ 笑

No title

その一方で、遺体にかけたり覆ったりという行為もしているですよね。この2面性は、何なのでしょうね? 
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世田谷一家殺害事件 の犯人像について、モナザイト の主観で事件を考察します。

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