改めて逃走時間を考える


血の着いたアイスカップ

台所の流し台にあった誰が食べたかわからなかったアイスカップ以外の4つのアイスカップからは、犯人の血液が付着していたといいます。アイス4つを絞り出すように食べるのには、ある程度の時間家にいたことがわかります。別の見方をすれば、犯人は一階のパソコン付近、二階のソファーのあたり、そして浴槽に投げ込まれたアイスカップ、その間、止血仕切れない状態で何かを探したことがわかります。ですから止血できたのは、かなり最後の方だったと考えます。したがって泰子さんやにいなちゃんがロフト~中二階に降りてきた時も、傷の手当をしようとしていたとしても止血は完了していなかったのだろうということ。そして流し台にあったアイスカップは、止血が済んだあとに食べようとしていたもので、最後に食べたアイスではなかったかと推測できます。

暖房をつけていた可能性

入江杏さんの著書『この悲しみの意味を知ることができるなら―世田谷事件・喪失と再生の物語』には、みきおさんは寒さに弱く、常に部屋を暖かくし暖房をつけていたみたいなことが書かれていたと記憶します。もし みきおさんが、作業を終えて暖房も止めて二階に上がろうとしたということがない限りは、犯人がみきおさんを殺害後、暖房も止め、部屋の電気も消した可能性があります。そのため外からの発覚を恐れ、懐中電灯のような小さな灯りだけで部屋の中を物色していたかもしれません。それならば本棚の上に入っていた現金6万1千円を、見落とした可能性も否定できません。というのは、事件現場の写真に二階リビングにある棚だかの引き出しが全部開けられている写真を見ました。ここで気がついたのは確かに引き出しはすべて引き出されていたのですが、実はこの棚の上段ガラスケースのなかは全く物色されていないように見えるのです。もし一階の引き出しが物色されていたとしても、引き出し以外の部分を物色しようとする意識は最初からなかったかのしれない。子供部屋の洋服ダンスもそうですが、あくまでも引き出しばかりをこの犯人は物色するという不思議な行動をとっています。何か探しているものがあるのは、引き出しの中という先入観があったのでしょうか? あるいはもう一つ考えられるのは、完全に物盗りに魅せるためだけの偽装工作だった可能性です。

話は飛んでしまいましたが、事件発覚時に入江杏さんが家に入った時に、とても部屋がひんやりしていたと証言しています。犯人が家の暖房を止めて(みきおさんかもしれない)から、相当な時間が経っていたことを物語ります。あと直前まで家に人がいた場合、なんとなく勘が鋭い人ならば直前まで人がいた気配を感じたりするでしょう。まして36度の熱を持った物体が直前までいたら、けして部屋が冷えきっていたかは狭い室内だけに疑問です。そう犯人が事件発覚直前までパソコンをいじっていたとは、考え難いのではないかと思います。

電話機の場所

一橋文哉氏の『世田谷一家殺人事件 15年目の新事実』を読みなおしていると、引きぬかれた電話機の接続ブラグが中二階の血の海の中に放り出されていたと書かれています。恐らくここから推測するに、電話機自体は二階リビングか中二階の何処かにあったものであろうと推測できます。著書には2階にあったと書いてあったので、恐らくリビングにあったものを引き抜いて、泰子さんにでも魅せつけたのかもしれません。もちろん朝方内線がかかってきた時に、引きぬいたものをここに投げ捨てていった可能性もあります。しかしもし二階にあったのならば、その場に投げ捨ててゆくのが普通でしょう。そう電話機が引きぬかれたのは、少なくても朝方ではなく、まだ家族を全員殺害する前だった可能性が高いと考えます。朝方家族が内線をかけたときには、すでに電話線は抜かれていたと考える方が自然ではないのでしょうか?

仮に入江家の証言が違っていたら

これまでは、何故入江家と警察の言い分が違うのか?そこを何故事件発覚当初ハッキリさせなかったのかと述べてきました。そしてこれは、警察の無理やり描いた都合の良いストーリーではないかと書いてきました。しかし仮に、入江家の証言に誤りがあった場合はどうなのでしょうか?

入江本によると、家族が起床してきたのは9時過ぎだった書かれています。そして家族が朝食を食べ終えたのは、ワイドショーが終わる頃と記載されており、もし見ていた番組がTBSの「サンデーモーニング」ではなく、日本テレビの「ザ・サンデー・総決算」なる番組だった場合、当日の番組表をみると9時55分~からは違う番組が始まっています(すなわち番組は9時50分ぐらいに終わっていた)。ちょっと時系列的に忙しくなるのですが(1時間勘違いしていて10時少し前だったら)、そこから お祖母ちゃんと杏さんがおせちの準備を初めた。何回か内線にかけても返事がないので、お祖母ちゃんが宮沢家に行って変わり果てた現場を発見。その際に10時5分にマウスを落下させてしまって、パソコンが起動。杏さんの証言どうり、お祖母ちゃんが5分~10分程度で戻ってきたとすると10時15分前後。そこから杏さんの旦那さんも家に入り現場を確認、警察に連絡が入ったのが10時58分となります。こうなると現場を把握し第一報を入れるまでに30分以上の時間があり、ちょっと空き過ぎではないのか?と今まで書きました。

そのため、むしろ入江家の証言どおりお祖母ちゃんが現場を尋ねたのが11時近かったという方が現実的ではないのかと。しかし警察が言うように10時5分のマウス落下がお祖母ちゃんによるものであり、入江家の証言が勘違いであったとすれば、犯人の深夜逃走は現実味を帯びてきます。警察が思い描くストーリーも、あながち捨て切れません。

明かりの謎

宮沢家の電気は、3時30分ぐらいには消えていたという目撃情報があり、4時頃に新聞配達した人物も消えていたと証言。しかし事件発覚時には、電気が付いていたという話があり情報が錯綜しています。もし犯人が朝まで電気を消して仮眠をとっていたということがなければ、すでにこの時間には逃走していた可能性が高いとみられるわけです。

犯人は、居間で絆創膏を貼ったり、カードの暗証番号を割り出そうという細かい作業をしていたことを考えると、こういった作業をしていた時は、二階の電気はつけていたものと考えられます。宮沢家は不思議と雨戸がない作りになっているので、二階リビングの電気は、そのまま出窓を通して外に漏れてしまいます。電気が深夜に消えていたとなれば、すでにその時間帯に逃走していたと考えるのが妥当でしょう。少なくてもパソコンのログがあって朝方までいじっていたという記録がないかぎり、私は3時半~4時ぐらいまでには逃走していたと思います。1時18分のインターネット接続から~3時半ぐらいまでの間には、犯人は逃走したのではないのでしょうか。

網戸の謎

ただし気になる証言が残っていて、朝方犬を散歩させていた人が、網戸はまだ発見場所には落ちていなかったと証言しています。そうなると、犯人はそれまで家にいたのではないか?という図式が成り立つわけです。どの証言が正しく、どの証言が誤っているのか全くわかりません。

ただし、ここまでまたお祖母ちゃんの行動が混乱を招きます。現場を目撃したお祖母ちゃんが、開いていた浴槽の窓を締めたものの、また開けたという証言をしたのだと言います。ひょっとしたら網戸を落としたのは犯人ではなく、お祖母ちゃんではないのかとさえ疑ってしまいます。なんたって犯人ならば静かに網戸を横にずらせばいいわけで、落としてしまっては音が響いて仕方がありません。よほど慌ててなければ、網戸を落とす必要などありませんから。

しかしこれにも疑問が残ります。何度も書きましたが、網戸は家から90センチ離れた公園フェンスを超えて、それもフェンスに立てかけるような形で発見されました。普通ならば家と公園フェンスの間に落ちるはずですが、そうではありません。仮に90センチのフェンスを越えたとしても、その勢いで網戸は公園側に転がっていたはずです。それがフェンスに立てかけるなど、誰かが落ちていた網戸を、わざわざ立てかけなければありえないはず。少なくてもこの網戸は、退出の時ではなく侵入の時にそこに置かれたと考えられるわけです。そうでなければ、このような状況にはなりません。まして誰かが網戸を受け取らない限り、侵入者は宮沢さんの敷地側に網戸を置いたのではないかと(網戸で手が塞がっている人間が、わざわざ公園側に戻って網戸を置いたとは考え難い)。しかし共犯者がいれば、外した網戸を受け取りそっと公園側に立てかけた可能性があると以前にも書きました。お祖母ちゃんが仮に網戸を落としてしまったのならば、家とフェンスの間に落ちたか、勢い余って公園の敷地の内に転がったはずです。それこそ10時過ぎだったたわけですから、隣の公園にも人がいて気がついた人もいたでしょう。世の中の殆どの人は、年末年始休みに入っていただろう12月31日の午前10時過ぎですから、祖師谷公園ほどの大きな公園に誰も人がいなかったとは考えられません(行った感想では)。

そう考えるとやはり網戸は、すでに深夜の時点でこの場所に置かれていたと考える方が理にかなっています。当然犯人の逃走も、限りなくひと目のつかない深夜だったのではないのでしょうか。ただし犯人は何故、アイスを食べかけのまま逃走しなければ行けなかったのでしょうか? そこに犯人が、急いで逃走しなければならない何かが発生したのかもしれません。

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世田谷一家殺害事件 の犯人像について、モナザイト の主観で事件を考察します。

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