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ボア付き手袋が語ること

世田谷一家の事件において、犯人が残していった遺留品の中で、ひときわ異彩を放っているものに ボア付き手袋 というものがある。今回は、この手袋について改めて考えてみたい。

boa 1

エドウィン社製「ボア付きグローブ」として販売。黒革で26センチ、中はボア付きで外側は豚革を使用。販売数は1998年から2000年に1万755組。犯行時に使用された形跡がなかった

(用途)

まずこの手袋で注目したいのは、明らかな防寒用手袋だということ。けして、殺害に使用するため使うような、指が軍手のように作業しやすい作りにはなっていないということ。そして実際に、事件には使われた形跡もなかったという。すなわち、礼君のクビを絞めたときも、他の家族を刺したときもこの手袋は使用した形跡がないのだ。

そこでこの手袋はどのように使われたか考えると

1,犯人が現場までやってくるときの防寒具の役割

2,他の遺留品同様わざと置いてゆくため


1,犯人がやってくるときの防寒具の役割

首都圏近郊に住んでいる若者男性が、恐らくこんな分厚い手袋など使用しないだろう。すなわちだ、この季節に(雪でも降っているならいざしら)、まして暑がりだったのではないかと思われる犯人が、この手袋を日常的に使っていたイメージがどうしてもわかない。普通この時代の若者だったら、寒ければポケットに手を入れるぐらいではないのだろうか?それでも犯人が使用していたとするならば、バイクか自転車などある程度の時間風にあたって移動する時に使用していたとしか考え難い。車では返って運転し難いだけで、そこまで車内が寒いとは思えないので、限りなく犯人は歩きでも車でもなく、バイクか自転車などを使って移動しその時に使用したものでないかということ。私も原付きには普段から乗るので、さすがに12月にもなれば手袋無しに10分以上の運転は厳しいと思うのだ。恐らくこのことは、自転車でも同様ことが言えるであろう。

うん、10分? そう犯人は近所に住んているといっても、バイクや自転車で10分~15分ぐらい離れたところから、スケボーをしに定期にこの公園現れていたのかもしれない。そう考えると実際犯人が住んでいた場所は、必ずしも公園周辺とは限らず何キロか離れた場所から、頻繁に祖師谷公園にやってきた人物という可能性も否定できないのだ。

2,他の遺留品同様わざと置いてゆくため

あと考えられるのは、他の遺留品同様にわざと置いてゆくためのものだったということ。もし捜査の撹乱を狙うために使ったとしたならば、犯人は全く真逆の暖かい地域の人間だった可能性も捨てきれない。あえて12月の東京には不似合いな防寒具の手袋を意図的に残したとしたら、真逆の暖かいところに普段はいる人物だった可能性が考えられる。他の遺留品にも痕跡があった、例えば カルフォルニア あたりなのか?ただし指紋や血液を残しても捕まらない自信があるのならば、最初から偽装工作などする必要はないのでは? むしろこの遺留品は、偽装工作なのではなく、捕まえられるものなら捕まえてみろという犯人の 自己顕示欲 の現れではないかと私は思うのだ。

(発見場所)

この手袋は、2階にある台所入り口付近(リビングに繋がる通路)で発見されている。他の遺留品が、リビングに整然と置かれていたのとは対照的に、廊下の途中に投げ捨てられるように発見されたのだ。ジャンパーなどがしっかり畳まれるように置かれていたのとは、明らかに状況が違うのだ。これは、何を意味しているのか?

1,他の遺留品は精神的に落ち着いていた状況で置かれていたのに対し、この手袋を置いた時は精神的に取り乱していた可能性がある。

2,他の遺留品とは、そこに置かれた時間が違っていたのではないかということ


(ここで仮説を)

犯行に使われた形跡がなかったということは、実はこの手袋も最初は他の遺留品と同様にリビングにキレイに一緒に置かれていたのではないかと。しかし犯人が手を負傷することで、急遽必要性に迫られたのではないのだろうか。というのもこの手袋の中は、犯人の血液がグッショリ付着していたのだという。そうこの手袋を犯人が使ったのは、4人を殺害した後だったと考えられるわけだ。

(犯行順を教えてくれる)

もし私の仮説どうり、このボア付き手袋が他の遺留品と共に最初は居間に置かれていたとしよう。そう考えた場合、中二階の浴室の窓から侵入した犯人は、いきなり子供部屋に向かったわけでも礼君に気がつかれて慌てて口を塞いで扼殺したわけではないということになる。もし進入時に礼君を殺害したのならば犯人はこの手袋を付けていた可能性が高く、礼君の唾液なり痕跡が手袋に必ず残っていたはずなのだ。

そのため犯人は、まず明かりが灯っておらず誰もいない2階リビングに進みここで荷物を下ろし殺害の臨戦体勢を整えたことになる。そして恐らく身軽な格好になりながらも、腰に包丁の入ったヒップバックを巻いて家の中を移動し始めたのだ。そしてまず、中二階にある礼君の部屋に侵入したものと考えられる。ここで気になるのは、なぜ礼君に対し包丁を使わなかったかということである。

すでに臨戦態勢は整っており、いつでも包丁が使えるはずだったのだ。それでも首を締めて扼殺したのか?泰子さんやにいなちゃんの時は、首元を斬りつけ声を出せなくしたという話しもある。なぜ礼君もそうしなかったのだろうか?片方の手で口を塞ぎ刺しても良かったのにあえてそれをしなかったのは、もちろん声を発せられることを恐れたということもあるがそれ以上に犯人はいろいろな殺害方法を試したかったのではないかと私は考えている。そして礼君は、あらかじめ扼殺することを事件前から想定して犯行に及んだのではないかと。

あるいは、礼君が布団をかけて寝ていたとしよう。もしそうならば、布団から外に出ていたのは顔や首の部分。それをみた犯人が、はっきりと狙いが定められる扼殺という手段を、この時決意したとも考えられる。この場合は、事前に計画性はそれほどなかったことになる。しかし1つだけこの場合明らかなのは、礼君はベッドの上で寝ていたことが前提になるのだ。ただしそうだとすると、発見時にベッドにうつ伏せで足はベッドから飛び出し発見された状況では説明がつかない ・・・ おばあちゃんが発見後抱き寄せて体勢が変わったにしては、随分と乱暴な置かれ方で最後は発見されたことになるのだ。 この辺は、正直よくわからない。

(なぜ手袋を使用したのか?)

犯人は当初、家にあったナプキンで止血しようとしたりリビングには絆創膏を何枚も取り出し傷口を防ぎ、血の着いた絆創膏をノートの裏にペタペタ繰り返し貼り付けたのだという。恐らく当初は、絆創膏の上に手袋でも済むと思ったのかもしれない。しかし予想以上に出血がひどく、絆創膏をしていても血が止まらずに外に滲み出て来る。そのうちに手袋の中も血液でグショグショになってしまい、これではダメだと手袋を廊下に投げ捨てたのではないのだろうか。そして家にあったナプキンをあてたり、タオルでぐるぐる巻きにしたりして止血を試みた。そのような状況になっては、手袋を上からつけることができなかっただろうということで、犯人はこの時手袋を床に投げ捨てたのだろう。

(帰りも使用するつもりだったのか?)

もし他の遺留品同様に現場に置いてゆくつもりだったのならば、帰りは移動手段が違った可能性があるということ。移動手段が違うとは、どういうことなのか? 少なくても帰りは他の防寒着を置いていったことも考えると、車などの暖かい乗り物で誰かが迎えに来ることが決まっていたのではないのだろうか。すなわちこの事件に協力者がいて、複数犯だったという可能性が高まってくる。しかしそれならば、最初に乗ってきたバイクなり自転車はどうなったのかという疑問も残る。警察からは、そういったものが見つかったという話は一切出ていない。

逆に当初はつけて持って帰ろうと考えていたのならば、単独犯であった可能性が高まる。遺留品は、わざと置いていったというよりは、おばあちゃんが家に訪ねて来るなど慌てて逃走しなければいけない状況に陥ったからだろう。しかしこれは、わざわざみきおさんの服などに着替えて逃走した可能性が高く、手袋はともかく他の遺留品は意図的に置いてゆかれたとみた方が妥当な状況なのだ。

(夜間の傷は治りが遅い)

最後に手袋の話ではないが、興味深い記事を見つけたのでご紹介しておきたい。この記事によると、午後8時~午前8時に負った傷は、日中に負った傷より遥かに治りが遅くなるというのだ。同じ傷でも日中ならば17日で回復したのに対し、上記の時間だと平均で28日もかかったというのだ。世田谷事件の時間帯も、この時間内に傷を負った可能性が高く、犯人は傷の回復に時間を要したのかもしれない。

まして警察が血眼になって全国の病院を探し回ったのは、病院で治療しなければならないほどの深手を負っていた可能性が高いと判断したからだろう。手袋のなかの出血量・浴槽に沈められていたナプキンや傷口をおさえるのに使ったタオルの血液の付着。その他家の中での、犯人の血液の痕跡からもそう判断したに違いない。実は傷はたいしたことはなかったという話しもあるが、警察が事件後いち早くそういった捜査を重点的に行ったのには、そんな僅かな可能性を探るためではなかったはずなのだ。犯人が長時間家に留まった理由の1つに、この出血がおさまるのを待っていたというのもあったのかもしれない。

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世田谷一家殺害事件 の犯人像について、モナザイト の主観で事件を考察します。

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