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手袋と犯人の血痕の謎

世田谷の事件では、様々な遺留品を犯人は現場に残している。その多くは、犯人が犯行前に綺麗にたたんだりして置いており、これから殺人の臨戦態勢に入る前の儀式的な意味合いが強かったのではないかと言われている。そしてこの時点では、犯人は極めて冷静だったことを物語る。犯人が急いで現場から逃走したのでなければ、この遺留品の多くは捜査の撹乱を目的としたものではないかと考えられる。そうでもなければ犯人は、返り血も浴びていない汚れていない衣服を家に置いてゆく理由がないからだ。わざわざサイズの違う、みきおさんの服を着てまで逃走する理由がない。

(手袋の謎)

しかしそういった遺留品の中で、明らかに系統の違うものがある。それは、厚手のボア付きの手袋。何故系統が違うかというと、整然と置かれていた他の遺留品と比べ、この手袋だけは二階リビングに入る通路の途中に投げ捨てるかのように残されていた。明らかにこの遺留品を残した時の精神状態が、最初のそれとは違っていたことを物語る。

そしてこの手袋は、犯行に使われた形跡がなかったという。そして手袋の内部には犯人の血液が大量に付着していたと言われている。そうなるとこの手袋は、家族を殺害し手を負傷してからのものであり、何故犯人は最初にこの手袋を他の遺留品と同じように、綺麗に置いておかなかったのか?という疑問が残る。

すなわちこの手袋は、最初は家に持ち込まれたものでなかったか、あるいは逃走するときも使用するつもりだったのか、はたまた元々は犯人のものではなく、みきおさんあたりの持ち物だったのかのいずれかではないかと思うのだ。しかし警察は持ち主を特定するために徹底的に調べたのだろうから、みきおさんの持ち物だったという可能性は低いのだろう。

そして何故12月の東京で、このような厚手の手袋が必要だったのかということ。犯行に使うのであれば、もう少し薄手ものを用意するだろうし、実際別にも手袋を用意していたのかもしれない。というのは、犯人が指紋を残し始めたのは明らかに手を負傷した後からだと考えられると以前も述べた。ここから浮かび上がるのは、犯人はそのような手袋が必要な寒い地域からやってきたか、この時期でも手袋が必要な状況の人間だったということ。すなわち手を出して走ると寒い、自転車かバイクを乗って移動してきた人間ではないかと。私はこの中で、自転車を乗ってきたからではないかと考えている。それも手袋が必要になるということは、ある程度の時間自転車に乗るぐらいは離れた場所から乗ってきたと考えている。そしてこの手袋は、元々は自転車に置いて行ったものを犯人が一度外に出て家に持ち込んだのかもしれない。あるいは元々は整然と置かれていた他の遺留品と同じような場所に置いたが、手の負傷に伴い急遽使うことなったのかのいずれかではないのだろうか?

血痕の謎

犯人が手を負傷して残した血痕は、二階台所近辺を中心に残されているという。そのほかでは、各アイスカップが残されているところに付着していたり、浴槽の中に傷の手当に使ったと思われるタオルや生理用品(裏返しに使用したとの話も)、更に窓枠の近くからも見つかったり、3階のロフトからも見つかっているという。こう考えると犯人は、かなり広範囲で血を撒き散らしていることになる。

興味深い話では、冷蔵庫の内側にも血を残しているというから、出血が止まらないのにも関わらず冷蔵庫の中のものに興味を示したのか?冷蔵庫の中身を止血に使おうとしたのか? また絆創膏をなかなか張ることができず、絆創膏を張るときに残るセパレートを、何個も現場に残しているという話も残っている。こういうことからも犯人は、物凄く動揺していたか傷が深かったのではないのだろうか。

ロフトで泰子さんやにいなちゃんを襲っていたのをやめたのは、単に包丁がガタガタになって使えなくなっただけでなく、この時点で手を負傷した可能性もあったのかもしれないということ。しかし犯人の血液が中ニ階で飛散していたという話も残っており、中ニ階で泰子さんやにいなちゃんを興奮して何度も刺している時に勢い余って深手を負った可能性も否定できない。

お風呂場の窓枠付近に血の着いた血痕を残したり、泰子さんやにいなちゃんがロフトから中ニ階に降りてしまったことを考えると、やはり犯人は一度はロフトで2人を襲った後に外に出たのではないかと私は考えるのだ。そして再度侵入するときに、ボア付きの手袋を持ち込んだのかもしれないと。

(犯人の異常性)

この犯人は、様々な奇行を行い常人では理解し難い行動をとっている。何より死後も遺体を損壊し続けるなど、その行動は極めて残虐だ。私がこの事件に興味を持つ前から世田谷の事件といえば、現場に残された包丁がバナナの皮を開いたようになりグニャグニャになった包丁の写真を見た記憶がある。あれをみて、とてつもない犯人の憎悪の念を感じたものだ。しかしこの事件を調べるようになってからは、以前見た刃先がぐにゃぐにゃになった包丁の写真やその絵を見たことがない。あれは、この事件の時のものではなかったのだろうか?

しかし人は、ここまで冷酷に知りもしない人を殺せるものなのかと疑問に思っていた。そこからは、精神異常者・薬物乱用者だったのではないかという疑いはどうしても拭えない。そんな中、そうでもない人間でも人を冷酷に殺害できる事案があることを最近知った。

それは先日、沖縄で軍属の米軍関係者が女性を殺害する事件が発生した。それに関連して、2006年に同じ基地の街・横須賀で起きた女性殺害事件の遺族がインタビューに応えていて、この事件のことを詳しく知ることができた。事件の詳細は、こちら を参照してい頂きたい。

簡単に説明すると、酒を飲んで夜通し遊んだ米兵が、朝方雑居ビルの入り口付近で女性に「米軍基地は何処ですか?」と聞き、それに応えようとしたら殴りかかられて持っていた現金1万5000円を奪われたというのだという。ただ現金を奪われたまでならまだしも、女性に馬乗りなり殴り続け内臓破裂の失血死で女性は亡くなったのだという。遺体を確認した旦那によると、女性の顔は原型をトドメないほどだったとインタビューで応えている(詳細に誤りがある場合は訂正します)。

そうこの遺族も語っていたが、何の落ち度もない一般市民に対し、僅かな遊ぶ金欲しさにここまで残忍なことをしてしまう人間もいるということ。そしてこの事件で、もう一つ気になることがある。この記事をとりあげたよそのブログには、最初は金さえ奪えばよいと思っていたのだが、殴るのが手段ではなく目的になってしまったからだ。殴るのが面白くなってしまったというのだ。と記載されている。これは何を元に著者が書いたのかはわからないが、世田谷の事件でも抵抗されたことで憤り、その内に犯人もこのような心理に及んだかもしれないということも充分考えられるのだ。

そしてもう一つ、この事件では気になることが書いてあった。手提げバッグが落ちていた。携帯電話や財布はあったが、紙幣は残っていなかったと・・・。これは、全く世田谷一家の事件現場と、同じような話ではないのか?

短期間にしかいない外国人にとって、小銭を細かく払うことは嫌うことなのかもしれない。紙幣で出してお釣りをもらうという習慣が、そこにはあるのかもしれない(これはもう少し調べてみたい)。だからこそ犯人は、小銭を廊下にばらまいて行ったのではないか? 

しかし私は、犯人が米軍関係者だとは断定しているわけではない。もちろん米軍の基地で働く人間の職種も様々だし、その家族も多くいる。また世の中には、日本人ではこんな僅かなお金のためにとか、些細なことで人を殺せるのか? と思われる驚きの事案も存在する。 現在残された証拠だけでは、犯人が日本人だと断定できる根拠には乏しいと思われる。警察がよほど確信的な証拠を隠していない限りは、犯人は日本人でも外国人でもあるというスタンスをとり続けるべきではないのだろうか? ちなみに横須賀の犯人は、無期懲役が確定して刑に服しているという。

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一橋文哉氏 「世田谷一家殺人事件」 の感想

事件から15年が経過するのを前に、この事件に対し様々なセンセーショナルな記事を書いてきた 一橋文哉氏が「世田谷一家殺人事件」という著書を発売した。これまで一橋氏は週刊誌で驚きの記事を連発してきたわけだが、この世田谷一家殺害事件を一冊の形にするのは今回が初めてというのも意外だった。そのため今回は、この著書を読んで初めてわかったこと、あるいは矛盾点など含めて、いろいろ考えてみたい。

(今回の収穫)

1、過去の記事がすべて明らかになった

一橋氏のこれまで記事は、ネットで調べればほぼ完全な形で残っている。しかしそれは記事の部分的なもので、実はこれまで、この事件の実行犯としている李(仮名)との接触場面は、ネット上で確認することができなかった。そういった過去の一橋氏の記事が、どんなものかすべて確認できたことは大きかった。また他の韓国人説と混同する部分もあったので、なおさらだといえよう。

2,様々な疑惑に対する応え

今まで、様々な俗説が出ては消えていったこの事件。しかし記事として出たものの、その後どうなったかわからないものが殆どだった。その俗説のその後について一橋氏は取材を進めており、明らかにしているものが多い。

3、知らなかった俗説も

実は、表だって記事にならなかったものの、警察関係者が犯人逮捕かと色めきたった瞬間が過去何度かあったという。そういった埋もれた情報も、掘り出されていたのは新たな驚きだった。

4、知らなかった位置関係

事件に関わるものの位置関係や状況証拠などで、どうしても事件を調べていてもわからなかったものが、著書を読んでいて明らかになった部分がある。私にとっての謎の一つが、引きぬかれた電話が一体何処にあったものなのかということ。著書によると、2階の居間にあったことが書かれている。そういった微妙にわからなかったことの多くが、何気なく記されていることは大いなる収穫だった。

5、実は、他の説と符号していた

結論からすると、この事件の黒幕と目される人物は、他の説でも名前のあがっていた人物だと思われ、一橋氏の説が他の説と最終的に符号していたことに驚いた。また前にも書いたが、一橋氏の説でも他の説でも「アンドウ」と呼ばれる男は、共通して登場して来る。

(読み終えて)

実行犯の李のその後の話が飛躍しすぎていて、本当なのかさえ検証できないレベルになっていること。また途中の事実関係の部分でも、私が訊いているものと違うと思われるものが幾つかあったのは、以前と変わらない。しかしこの何年かの間で、批判があった部分の取材を進めていたりと、昨今の状況を意識した作りにもなっている。

結論的なものはさておき、その過程を読み進めてゆくことは、この事件を深く知るものにとっても、新たな収穫が満載されていたということだけは触れておきたい。その正否に確信を持てるものは無いが、疑問点が一気に解決する部分も多く、様々な世田谷関係の書物の中でも、最も成果の大きな読み物になっていることは確か。今後は、細かく読み進めて新たな発見や疑問点について、具体的に触れてゆきたい。

(みきおさんの殺害状況)

そんななか今回は、本著に描かれていた みきおさんの殺害状況について考えてみたい。先日私は、みきおさんの殺害状況がいまいち掴めないと書いて、ここで特集したばかりだった。

一橋氏の記事によると、犯人とみきおさんは、二階で争った跡が一切なかったとし、犯人と争いになったのは、1階であったと綴っている。特に二階の階段上から、1階まで落ちていったという報道は誤りだったと否定しているのだ。みきおさんの足跡は、下から4段までだったという。一橋記事には載っていないが、階段途中に履いてあったスリッパが残っていたというのは、下から4段目までにあったのか?その4段目の根拠は、みきおさんの血が階段の一番下~4段目まで残っていたことに由来しているようだ。家族による証言で、血の滴りが下~上に伸びていたという証言は、犯人によるものでなく みきおさんの血液だったのかもしれない。

さてここからは、今まで明らかになった他の情報も加味しながら、新たに私の推理を構築してみた。

犯人とみきおさんが遭遇したのは、みきおさんが一階階段下、犯人は階段途中だったのではないのだろうか? 当初は二階から上がってきたところを不意打ちで、最初の一撃を加えたものと思っていたが、実は出くわした犯人とみきおさんの間には、何かしらの会話があった、あるいは一定の間があったのではないのだろうか? あるいは、みきおさんは不審な気配を事前に察知していた可能性もある。というのは、みきおさんの遺体のそばにはハンガーらしきものが転がっており、ひょっとするみきおさんは、このハンガーを手にして応戦しようとしたのかもしれない。いわゆる武田鉄矢主演の、「刑事物語」のイメージで(そういう世代だし)。

黒ムツさんの書き込みによると、みきおさんは両手をあげて近づいてきたという。それは犯人とやりあうというよりは、「そんなバカなことはやめろ」とか説得を試みつつも、凶器を奪い取ろうとゆっくり近づいてきたのかもしれない。階段を少しずつ上がってくる みきおさんに対し、黒ムツさんは蹴り落としたと表現しているので、2階踊り場からではなく、階段の途中から一階に落とされた可能性が考えられる。その辺は、一橋氏の記事にも階段から落ちた形跡はないとしているものの、階段の下の壁面には、人間が激突した跡が残っていたという。この話は初めて訊いたが、これが上から落とされたものなのか? 一階で乱闘中についたものなのかは現場検証の時点で明らかになっているはず。

私のあくまでも仮定だが、階段数段を蹴り飛ばされ落ちた みきおさんは、致命傷こそ受けなかったがすぐには立ち上がれない状態だったのではないか? そこを犯人がすかさず降りてきて上から攻撃したのではないのだろうか? それでも攻撃を受け止めようと応戦した形跡は残っている。そして みきおさんは、家族に危険を知らせるために階段を4段昇ったところを後ろから致命的な攻撃を加えられ、力尽きたのではないかと考える。

犯人のA型の血液が、2階踊り場付近で飛散していたという話が事実だとすれば(一橋氏の記事には記載されていない)、それは みきおさんと揉み合った時のものではなく、その後に起きた可能性が考えられる。

一橋氏の記事が全面的に信用できるかは別にして、これまでいまいち掴み切れなかった みきおさんの殺害状況が浮き彫りになってイメージできるようになってきた。

犯人は、事前に2階居間に荷物を置いて臨戦体勢に入っている。そして みきおさんよりも前に礼君を子ども部屋で絞殺していることがわかっている。犯人が事前に 泰子さんやにいなちゃんの居場所を掴んでいなくても、二人の居場所が屋根裏部屋しかないことは、犯人にとってこの時明らかになっていたのではないのだろうか。そして皮肉にも、みきおさんの危機を知らせる声が、犯人に二人の居場所を確信させてしまったのかもしれない。



一つだけ気になったのは、私も長らく勘違いしていたもので、本の題名の間違いにある。この事件の正式名は「世田谷一家殺事件」であるということ。実は、他の出版物もほぼ同様に、この部分を間違えている。そういうちょっとしたところに、この事件の著作に関わってきた多くの人の、いい加減さ、胡散臭さが拭えない印象を持ってしまうのだが・・・。ちなみに私が知る限り、最も信頼性の高い関係書物は、警察資料を元に書かれた 「真犯に告ぐ!」である。さすがにこの本は、そこは誤っていなかった。

礼君の殺害は最初なのか?

このページが開設して間もない頃に、犯人の殺害順序を考えました。その時は、二階から侵入した場合、唯一同じ階(階段を上がり下りしない)にある、子供部屋を最初に目指したはずだと書きました。そのため警察の見立てどおり私も、礼君が最初の被害者であったと推理しました。

前にも書きましたが、礼君を最初に殺害したのか最後に殺害したのかで、この事件の意味合いは大きく変わってきます。仮に礼君を最初に手をかけたとすれば、犯人は最初から家族全員の殺害を目的していた可能性が高いからです。その理由は、当時年齢が6歳。更に発達障害が観られた礼君は、事件を目撃していても、証言能力が最も低かったから。最も無抵抗であったはずの礼君を、あえて最初に殺す必要はないわけです。しかしその一方で、礼君を最後に殺害したとしたら、他の家族を殺害した流れの中で殺した可能性が高くなり、その意味合いは大きく変わってきます。

礼君が最初に殺された最大の根拠は、全く犯人や他の家族の血がついていなかったということ。すなわち手を怪我したはずの犯人の血も、返り血を大量に浴びたはずの家族の血液も検出されていないからです。今でも礼君が、一番最初に殺害された可能性が一番高いと私は見ています。

しかし何故いまさら、ここに疑問を持ったかと言いますと、幾つか当初よりもわかってきたことがあります。

1,礼君は犯人の右手一本で首を締められて殺害されたということ

2,犯人の首を締める力が非常に弱く、女性のような力しかなかったのではないかと


このことは何を意味しているのでしょうか? 一節には、礼君にだけは犯人が同情し、殺すのをためらったからではないか?という話が残っています。すなわち最後に生き残った礼君の将来を悲観して、それほど殺すつもりはなかったけれど、泣く泣く始末したということなのでしょうか。

しかし私は、その辺の考えには懐疑的です。もっと物理的理由からではないのでしょうか。

もし犯人が最後に礼君に手をかけたとすれば、当然手を怪我していたはずです。しかし血液はついていなかったということは、犯人はこの時に完全に止血が終わっていたことになります。更に返り血を一切つかなかったということは、犯人は他の家族を殺害した時とは、服装が違っていた可能性があります。ですから私は、実は最初の侵入の時には礼君の殺害は行わず、再度侵入した時に(前から何度か家の出入りを繰り返したのではないかと述べてきた)、礼君を殺害したのではないかという考えもあります。最初に殺害したとは思う一方、他の家族とは随分時間が経ってから殺害したという考えも捨て切れません。

しかし怪我した手は、右手だったのではないかということ。そうすると右手だけで、犯人が首を締めた理由は考えられません。どうして右手に怪我したかと考えられているかというと、犯人は右利きで、刺された家族の傷から包丁を持っていたのは右手であり、その際に手を怪我してしまったと考えられているからです。しかし実際のところは、何処を怪我をしたかの明確な確証はないはずです。

なんでこんなことを言うかというと、宮沢家から飛び出してきた男と車で衝突した女性の証言では、男は左腕から血を流していたという話があるからです。そう、犯人が大量の出血をしたのは、実は左手だったのではないかということ。これならば、犯人が右手一本で首を締めた理由が説明つきます。普通人の首を締めるならば、両手で締めますよね。その辺の矛盾も、これなら説明できます。

女性のように、首を締める力が弱かったという話。これはなかなか片手だけだと、人を死にいたしめるだけの力は入り難いという感じがします。そのため私は、利き手でも片手のため充分な力が入らなかったのではないかと考えます。あと私は、犯人は上背は結構あったものの、けして頑強な大男なのではなく、かなり細身の人間で筋力はそれほどなかったのではないかとイメージしています。

ただこれは、浴室の侵入と玄関、深夜の逃走と発見ギリギリの逃走と同じように、基本は最初の殺害と考えつつも、最後の可能性もあるという風に私は捉えています。

あともう一つ考えられるパターンは、泰子さんやみきおさんから何かを聞き出すために、子供を盾に聞き出そうとした。その最中に窒息死したという考え。これは、ちょっと私は考え難いと思います。

少なくてもそれならば、まず みきおさんが生きている時に、そのようなやりとりをしてしまったら、すぐ上のロフトにいる泰子さんに感づかれてしまい、それこそ助けを呼ぶ余裕が生まれてしまった可能性が高かったわけです。これは、一度に他の家族3人を相手にしてしまわないといけないという、犯人にとって最悪のシナリオです。ですから犯人としては、その状況は絶対に作りたくなかったはず。

仮にみきおさん殺害後であったならば、ロフトで襲った泰子さんやにいなちゃんが二階まで降りてきた段階じゃないと、子供を魅せて脅すことは難しいでしょう。そうなると三人分の返り血を浴びているわけですから、礼君に血液が付着していない説明になりません。

こう考えると礼君の殺害は、一番最初か、少し時間を置いた最後だったという以外に考え難いわけです。それも礼君のベッド付近には、犯人がカニ歩きをして近づいた足跡が残っていたといいます。すなわち礼君は、いずれにしても襲われた時にまだ寝ていたということでしょう。

そしてあれだけ三人の殺害のドタバタが、ドア一つ向こうで起きていたとすれば、礼君は物音で目を覚ましたと思うです。しかし礼君は寝ていたわけです。そう今考えられる状況では、やはり礼君は、最初に殺されたというふうに考えるのが最も自然だということになるのではないのでしょうか。

そして最初に戻りますが、犯人は最初から一家全員の殺害を目的としていた。これが、犯人の目的の中でも、最優先事項 だったということだと私は考えます。金銭や何かを探していた、あるいは消去しようとしたなどの行動があったとしても、それは最優先事項ではなかったいうこと。そしてここからわかることは、家族の特定の人間に対する怨恨などよりも、この一家を抹殺しなければという強い思い込みがあったのではないのでしょうか。仮に怨恨にしても、目的のターゲットがいたとしても、それは 泰子さん だったとしか考えられません。

にいなちゃん と 泰子 さんの死

世田谷一家殺人事件が、事件から14年を経過してもなお大きく取り上げられる、あるいは警察や関係者によって風化させてはいけないと躍起になる最大の原因は、親子4人の殺害という側面以外に、あまりに にいなちゃんと泰子さんへの殺害状況が悲惨だったからだと言われています。その詳細については明かされておりませんが、伝え聞くところによると、日本で恐らく一番多くの殺害現場を見てきている、警視庁の捜査一課の関係者をして「これほど凄惨な現場をみたことがない」と言わしめたほどだったと訊いております。その現場が尋常じゃなかったであろうことは、正月休みも明けない1月3日に警視庁のトップである警視総監が、更に東京都の公安委員長も視察に訪れるなど、異例の対応がとられたことからも伺われる。現場には、何か発表されていない犯人からのメッセージだとか、ありえない光景が広がっていたのかもしれない。

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推察

旦那である みきおさんを一階で殺害。犯人は、すぐに屋根裏部屋であるロフトを目指したと思われる。ひょっとしたら異変を察した家族が、旦那の様子を気遣ってみきおさんの名前を呼んだりしたのかもしれない。特にロフトという空間はドアがないので、一階での音がモロに聞こえていたのではないかと。しかしロフトのハシゴから下を観ても、一階までは見えない構造になっている。そして得たいの知れないものが、自分たちに近づく恐怖に怯えながら、二人はそのときを迎えたのかもしれない。

犯人の侵入

14年前の段階でも、みきおさんも泰子さんも、携帯を所有していたそうだ。しかし二人の携帯は、二階リビングあたりで発見されたとかされないとか。そうなると窓を開けて大声で隣の入江さん夫婦に助けを求めるなど出来ればよかったが、そこまでの余裕はなかった模様。あるいは、本当に寝ていて気がつかないまま犯人のロフト侵入を許したのかもしれない。こればかりは当事者達じゃないとわからないし、詳しい発表はなされていない。

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殺害状況

ハッキリしているのは、首から上にかけて何度も刺されたということ。しかも死亡後も、遺体の損壊を繰り返したということである。三階のロフトのベッド付近では、長女のにいなちゃんの歯が見つかったということで、単に刺しただけでなく、殴ったとか壁にぶつけたとか、刺す以外の行為もみられたものと想像する。

物理的要因

よそのサイトで指摘されていたことだが、みきおさん殺害時に使用した 刺し身包丁である関孫六の刃先が欠けてしまい、中々二人に致命傷を負わせることが出来なかったことが多くの刺し傷につながったのではないかと。確かに執拗に刺した要因に、そういったものがあったことは否定できないと私も思う。しかし話を聴く限りでは、それ以外の要因も感じられる。そうでなければ中々致命傷を与えられなかったといえは、そこまで凄惨な現場になったとは思えないからだ。にいなちゃんの死因は、外傷によるくも膜下出血によるとも言われており、刺されたこと以上に何かに叩きつけられたなどの大きなダメージが原因かもしれない。犯人の攻撃は、恐らく柳包丁が折れるまで続いたものと思われる。そのとき二人は、すでに意識を失っており、犯人は死んだものと思ったのではないのだろうか。

凄惨な現場になった理由を考える

一番の理由として考えられるのは、

1,あっさり殺された男性二人と違い、激しい抵抗にあった可能性が。

2,みきおさんや礼君と違い、にいなちゃんや泰子さんとは何かしらの接点があったのではないのかということ

3,あるいは、女性など弱いものに対し危害を加えることに、何かしらの快楽を得る衝動の人間だったかもしれない。

しかしながら女性に対しての性的暴行とか、そういった観点からの報道や捜査をしている形跡がないことからも、やはりあったとしても快楽殺人的な側面しか見えて来ない。

4,もう一つ考えられることは、何かの情報を聞き出そうとしていた。そのための手段として、執拗に危害を加え、情報を引き出そうとしたのかもしれない。


実際3Fロフト部での状況と、中ニ階での状況にどのぐらい違いがあるのかで、犯人の行動に見えて来るものがあるのではないかと考える。しかしその詳しい状況は、未だに発表されていない。少なくてもにいなちゃんはともかく、泰子さんにはまだ階段を降りるだけの状態にはあったことは間違いない。

そして犯人は立ち去る

恐らく二人は、完全に動かない状態だったのだろう。そこで犯人は死んだと思い込み、折れた柳包丁を持ってロフトの階段を降りて行ったのではないのだろうか。そして犯人がまず行ったのは、負傷した手の怪我・止血作業だったと思われる。そこでナプキンを押し当てつつ、傷の手当をしたようだ。

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ところが・・・

犯人が止血作業をしていた時かはわからないが、ドスンという何かが落ちる音が聞こえてきた。そう母親の泰子さんが、れいなちゃんを抱えながらロフトのハシゴを降りようとして踏み外したのかもしれない。その音を訊いて慌てて、犯人は階段下に向かう。そのときに台所にあった宮沢家の包丁を持ち出し、再び刺しトドメを刺したと考える。私の想像だが、ひょっとすると、泰子さんと男性が激しく口論していたのが聞こえたという情報が確かならば、この段階だったのかもしれない(しかし証言時間と合わないが)。逆にそれで犯人は激昂して、残忍な方法へと変わった可能性も。 恐らくこの時にいなちゃんは、ロフトでの殴打が原因で意識がない状況だったのではないのだろうか? もう一つ犯人が異常な殺戮をした背景には、自らが出血をするという予想外の事態に陥り、我を忘れた可能性もある。しかしそれがあるとすれば、中2階ではなくロフトでの段階だったではないかと推察する。

執拗な遺体の損壊

二人を死に至らしめてもなお、遺体の損壊を図ったのは何故か?私は快楽殺人という側面よりも、さっき殺したはずだった人間が、思いもよらず生きていたという不信感によるものではないかと。そのため私は、言われているほどの快楽殺人者だとは考えていない。だからこそ、その後遺体に何かを置いたり被せたりと、出来るだけその姿を見ることをためらったのではないのだろうか(もちろん他の理由があったのかもしれないが)。

それでも女性や子供というものに危害を加えることに、全くといっていいほど抵抗のない人間。通常の人ならば良心の呵責でためらうような感覚を、全く持って持ちあわせていない残忍性がそこから感じ取れる。しかしもしロフト部分で二人とも息をひきとっていたら、死後の遺体の損壊が行われていたのか? ここまで凄惨な現場になっていたのか? という疑問は残る。

にいなちゃん と 泰子さん の死が意味することは

まず殺害順とすれば、礼君~みきおさん~にいなちゃんと泰子さん の順は、事件当時いた場所によって決まっただけで、恐らくそれほど意味はないと思われる。

元々犯人の目的は、誰かを殺害するというよりも、一家全員の殺害 が目的にあったと私は見ているので、もしロフトで二人がなくなっていたら、そこまでの凄惨な現場にはならなかったのではないかと。しかし女性への殺害方法が男性陣に比べると極めて残忍だったことを考えると、快楽殺人の側面にいなちゃん、泰子さんとの接点・怨恨の線が全くないとは言い切れない。特に泰子さんには、最後まで抵抗されためとか、何かを聞き出すためとかいう以上の、特別なものを感じなくもない。ただしこの部分は、あまり公にされていない情報や噂の域を脱しておらず、外部の人間が覗い知れることは限られている・・・。 私の想像の部分が多いだけに、もう少し別の側面から、犯人像を考えてみたい。

その後の行動と みきおさんの死

長男・礼君の首を絞め死に至らしめた後、犯人の行動はいかなるものだったのか考えてみた。

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次は二階へと

子供部屋を静かに出た犯人は、他の家族の動きに注意を払いつつも、恐らく4段階段を昇った2階部分に入っていったものと考える。礼君の死のところでも書いたように、まずは侵入したフロアと同じフロアを把握した犯人は、次に状況が掴みやすかった二階へと進んだのではないのだろうか。その一番の理由は、中2階からでも、ニ階の電気が消えていたことが簡単にわかったであろうから。そう、階段を上がった先がどのような構造になっていようとも、誰もいないか、礼君のように寝ていることが予想されたから。

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しかし入った先は、台所やリビングが広がっており、誰もいないことがわかった。そこで犯人は、着ていたジャンパーを椅子の背にかけたり、着ていたもの脱いで身軽な格好になり臨戦態勢を整えたに違いない。もちろん犯人の持ち物は、身につけていたものなのか? それとも進入時に邪魔にならないように、リュックなどに入れてそれを取り出したかまではわからない。しかしここでほぼ間違いないのは、ヒップバックに入れていた 刺し身包丁 関孫六 を、このタイミングで取り出したということではないのだろうか。

部屋のどの辺に荷物を広げたのか?

問題は、犯人が部屋のどのへんで荷物を広げ、どの椅子の背もたれにジャンパーをかけたかということ。私ならば万が一この時に家人が部屋に入ってきても簡単には気がつかれないように、部屋から入って手前の椅子の後ろあたりに荷物を広げたり、手前の奥の椅子(壁側)にジャンパーを引っ掛けるだろう(まぁ俺だったらこんなところにジャンパーかけないと思うが)。そうすれば部屋からパッと入ってきても、家人からは死角になり、部屋の奥にまで入って来るまでは異変に気がつかないはず。まして死角に隠れていれば、そこで待ち伏せて刺すこともできると考えたのではないのだろうか? その辺の荷物やジャンパーの置く位置で、犯人の心理状態や思考能力を読み取れる気がする。しかしその辺の詳しい状況は、警察から発表されていない(あるいは私が見落としているだけかもしれないが)。あるいは礼君をあっさり殺害したことで気持ちが大きくなり、ソファーのあたりに置いたのかもしれないが。ここからは、犯人の冷静さと大胆さが伺い知れる。ジャンパーなどを脱いだのは、動きやすくするためだけでなく、返り血を浴びないように逃走時を想定してのことだろうか。それとも、何かしらの偽装工作なのか? しかし自分の指紋まで残す犯人が、偽装工作をしたとは思えないのだが・・・。

またこればかりは当時現場にいなければわからなかっただろうけれど、リビングには大きな出窓がある。そこからは前の家の明かりや街頭の光などが微妙に差し込んで、部屋の電気を付けなくてもある程度準備ができるような明るさだったのかどうか?あるいは犯人は、あえて部屋の電気をつけて、ここで準備をしたのかはちょっと気になるところ。もちろんそれをあとから証明するのは難しいが、明かりのスイッチに犯人の指紋等はなかったのだろうか? 

いずれにしても犯人は、ここで万全の体勢を整え、次なる行動へと移っていったと考えられる。しかし仮にこの部屋を覗いた時に家族の誰かがソファーか何かで寝ていたら、犯人は礼君と同じように、扼殺 で静かに葬ろうとしたのだろうか?それが長女の にいなちゃん だったらどうだったのか? この辺は今となっては伺う術もない。

礼君の殺害から みきおさん殺害までにはある程度時間的余裕があったのでは?

私は、礼君の死から、次の みきおさんの刺殺までは、それなりに時間があったのではないか? 少なくても犯人が、次の準備に入るだけの充分な余裕はあったものと考える。みきおさんは、礼君の部屋の異変を察して上の階に上がってきたわけではない。みきおさんが、10時38分ぐらいに1階のパソコンでメール送信していた記録が残っているそうで、それが50分ごろに強制終了させて作業を終えている。ひと通り用が済んだので、そろそろ寝ようかと上の階に上がって来たところを襲われたと私は考える。

犯人がここでも、階段を壁伝いに横歩きした形跡が残っていることからも、みきおさんがいつ来るかすでにこの時探っていたものと考えられ、そのチャンスを伺っていたのではないのだろうか。階段を上がってくるところを物陰に隠れていた犯人は、包丁で頭部を差し、これが結果的に致命的なダメージを与えたと考えられる。血痕から みきおさんは一階の階段下に転落した模様。更に転げ落ち倒れこんだ上から、太ももやお尻などを刺したのではないのだろうか(この辺の詳しい状況はわからず)。結局頭部へのダメージが致命的で、思いのほか抵抗も乏しく みきおさんは絶命したものと考えられる。

事件後、隣の家のお姉さんは、倒れている みきおさんの足 を目撃したそうだが(それ以上入らないよう、旦那さんから止められたらしい)、そこは言われているような血の海ではなかったと証言している。みきおさんの遺体には何箇所も刺された跡があっても、この後に殺される女性達に比べると損傷が少なかった原因の一つに、あっさり亡くなったからだとは考えられないだろうか? ちなみにこの時みきおさんの頭部には、折れた包丁の刃先が刺さっていたと言われている。また犯人の血痕が、下から上の階にのびていたようだったという、入江さんのコメントからも(入江さんは階段下までは入ったのか?)、ひょっとして犯人の怪我は、最初のみきおさん殺害の時に生じたのかもしれない。

みきおさんの死が意味すること

犯人は、唯一の出口である一階を制圧。これにより残りの家族に逃げられる心配をしなくて済むようになる。また犯人にとって一番脅威であったろう 旦那 を倒すことで本当ならば精神的に余裕が生まれるはずだった。しかしここから、犯人の思い描いたストーリーは崩れてゆくことになる。

みきおさんの遺体の損傷はそれほどでもなかったということからも、犯人のみきおさんへの怨恨の可能性は低かったということではないのだろうか? またそこからは、犯人が みきおさんとの関わりのある人間 という図式も薄れてゆく

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Author:monazite
世田谷一家殺害事件 の犯人像について、モナザイト の主観で事件を考察します。

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負け犬の遠吠え
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