2017/08/04
様々な理由
以前にも書いたように、犯人の殺害後も執拗に遺体を傷つける行為などをみていると、世田谷一家の犯人は快楽殺人者だった可能性が高い。この独特の思考回路や行動は、過去の猟奇的な殺人事件の現場と酷似しており、それを似せて見せかけようとするのには無理があるだろうということを書いた。その観点でみると、犯人の異常な心理を知る一つの参考になる記事がある。なんだか怪しげな記事ではあるのだが、犯人の異常な心理を想像するのにはなるほどと思える部分もある。それはともかく、まず現場にゆくとひとつ確信的に思う。それは犯人も事件前に、必ず宮沢さん宅の裏にある ぽっぽ公園 の小高い丘から、宮沢家を見ていただろうということ。上記の写真は、その公園にある小高い丘に昇る階段のところで撮られたと思われる宮沢さん一家の生前の家族写真。
この小高い丘は、地面からおよそ3メートルぐらいの高さ。丘の上にはベンチもあり、長時間宮沢家の方向に向かって座っていても、特に怪しまれる心配はない。何よりここから見ると、宮沢家の裏側全体が見渡せて、宮沢家の何処に人がいるのか把握しやすいからだ。そして犯人が侵入したであろう浴室の窓と、ここの目線がほぼおなじ高さになる。誰がいまお風呂に入っているのかさえ、手にとるようにわかるのだ。
逆に宮沢家の正面玄関付近から見ようとすると、向かい側には当時家が建っており、隣には姉や母の住む家があるので、なかなか状況が把握し難い。まして家の前の狭い路地にでも入って確認しようものならば、目撃されてしまう恐れがあるからだ。それでも実際は、そういった怪しい男が事件前に何度か目撃されている。特に正面からじゃないとわからないのは、中二階にある子ども部屋の様子、2階リビングの所在の有無。そして1階の動向なのだ。だから事件前数時間の間に、たびたび犯人が現場付近をウロウロして家の様子を伺おうしていた可能性があり、そういった目撃情報が複数あげられている理由もわからなくはない。
特に中2階の子ども部屋は奥まったところにあり、入江家と前の家の陰でなかなか確認しずらかったはず。そういった物理的なことがわかると、犯人が家の周りをウロウロし角度を変えながら歩いて侵入の機会を伺っていたことも、なるほど理解できるのだ。事件前に、わざわざ犯人が目立つような行動をとるはずがないという意見もある。しかしそういった人には、ぜひ一度現場に足を運び、宮沢家や公園の位置関係を把握してみると、いろいろなことに気がつくはず。
そしてこの事件の現場に行けば実感するのは、ここで何かを起こそうと思うと先がイメージしやすいのは家の裏側だということ。家の正面は、向いの家や隣の家の視線があり長く居座ることができない。じっくり考え行動をイメージするのには、家の裏側から見ていた時間の方が圧倒的に長かったはずなのだ。まして浴室の窓が開いているという状況ならば、このチャンスを逃さないだろう。少なくても事件の数日前から、犯人はこの家にどのように侵入し事件を起こすのか綿密に妄想していたものと考えられる。その証に現場に残されていた黒いハンカチには、何度も何度も刃物で刺した跡が何十箇所も残っていたのだという。犯人が行ったとみられる特殊な包丁の握り方をしながら、もう一枚のハンカチを人間と見立てて刺す練習を繰り返したと思われる。それは、けして現場まで包丁をくるんで持ってきただけでは傷つく穴の数ではなかった。
(黒いセダンはガセなのか?)
現場付近では、事件前からたびたび不審車が止まっていることが報告されていた。中でも事件当日の21時~23時ぐらいまでアイドリング状態のまま、黒いセダンが長時間止まっていたとの目撃情報があり、これは警察も認めている情報の一つ。ナンバープレートなどがある車で、事件前に車などでつけるはずなどないとおっしゃる方もいるが、これも現場にゆくと少し趣きが違うことがわかる。
まず、上記の航空写真を観て頂きたい。
写真右側に真っ直ぐ伸びるのが、祖師谷公園を南北に貫く一本道。そこから宮沢さんの前に曲がる小道、さらに小道が南に1本、半分ぐらいまで伸びて空き地に入る小道が1本、そして3本目が今も家が残る前の小道と計4本の小道が伸びていることがおわかりだろうか。事件当時は、宮沢さんの家の前に1軒家があっただけで、あとはこの航空写真と当時とは変わっていない。
実は現場にゆくとわかるのだが、宮沢さんの家の前の小道と、その一本南側の小道の間には、土がもられて小高くなっているのだ。だから宮沢さんの家から、あるいは向いの家からみても車が隠れる形になって見えない。もちろん宮沢さんや近隣住民は当時非常に防犯意識が高かったのだろう。こういった不審車の存在には、目を光らせていたものと思われる。そのため泰子さんも事件前に みきおさんのお父さんに最近家の近くに不審な車が停まっていると漏らしていたとお父さんが事件後語ったという。また事件現場付近に住んでいたと思われる公園近くさんのコメントには、その不審車の詳細も書かれており、その存在は泰子さんも知っていたと記している。そう一見小高くなっているせいで車が隠れているように犯人には思えても、実は2階から見ると角度の関係で見えるとか、出かけるときに停まっていて気になっていたというのはあったのかもしれない。もう一つわかるのは、宮沢さん宅から4本下がった現在も存在する家の前の道路からみると、木が植わっておりよく前が見えなくなっているなどの事情もある。そう犯人からすれば、近くの家からは見えないだろうと思って車を停めていた可能性があるということ。しかし近所の人は、そういった存在に神経を尖らせていて、車の存在には気がついていた。近所の家からは見えず道路際にも家がなかったことを考えると、犯人がこのあたりに車を長時間停めていたとしても不思議はない場所なのだ。
(何故ズボンは置いて行かなかったのか?)
最近、私のところの掲示板に興味深いことが書かれていた。犯人が現場にズボンだけは置いて行かなかったのは、職場のズボンや学校の制服 だったからではないかという。そう前から返り血を浴びたはずのズボンを、他のものと同様に何故置いて行かなかったのか? それは、何か身元が判明してしまう可能性があったからだろうという話はででいた。その身元の判明しやすいズボンってなんだと深く考えたことがなかったのだが、なるほどそういうことだったのかと思わず膝を叩いてしまった。
この仮定を裏付けるものが、現場には残っていた。それは、犯人が残していったラグランシャツである。何度も洗濯されて使われていた跡があったラグランシャツだが、そこに染料が付着してからは洗濯された形跡がなかったのだという。もし犯人が何かしら染料に関わる仕事をしていた場合、仕事をしたままの格好で事件を起こした可能性があるのだ。そして下のズボンは、職場(学校)の制服・作業着だった可能性があるということ。それならば自分の身元はわれやすくなってしまうし、それを紛失したりすると、いろいろ面倒なことになる。会社ならば始末書扱いだろうし、学生ならば家人から理由を問いだされる可能性だってある。まして学生の場合、上はラグランシャツ・下は制服という格好も、けして違和感のある格好ではないだろう。
ただし、時期はとっくに冬休みを迎えていたであろう12月30日(土)。男子学生が、冬休みに制服でうろつくだろうか? 仮に会社だと12月29日(金)の勤務後、事件を起こすまでその格好でウロウロしていたということになる。実は私がこの話に食いつくのには、以前教えてもらったある未確認情報と繋がる話だから。その話とは、とある知り合いが世田谷一家の事件のことをネタにほうぼうで話していたら、そのことを知った一人の人が近づいてきてクリーニングの明細らしきものを手に握らされたことがあったという。その方は、気持ち悪いのですぐにそれを捨ててしまったといっている。それが実際事件と直結するものかはわからないが、ひょっとすると犯人は持ち帰ったズボンをクリーニングに出していたのではないか? ということ。普通はそんな返り血を浴びたズボンなど処分してしまうだろうと思っていたのだが、このような会社や学校の制服の場合、処分できなかったのではないのか? そう血というのは、一度つくと容易には洗い流せないものだという。汚れが落ちずに困った犯人は、ひょっとすると処分しようにもできないズボンをクリーニング出してしまったのではないのか? 私はずっとそんなことはありえないだろうと思っていたが、これが制服であればそうせざるえない理由にもなり、この話が現実味を帯びてくるのだ。長年の大きな疑問が、一つ繋がった思いがした。
一見不可解だと思われる犯人の様々な行動にも、犯人なりにそうせざる得ない理由があったのではないのだろうか?
スポンサーサイト
コメント
2017/08/05 01:03 by 田島 URL 編集
2017/08/05 01:20 by 肉は福寿で電気は東電 URL 編集
犯人が精神的に病んでいて、趣味も楽しみもない者なら、通常な日常生活を送っていない分、刑務所でもいいと思ったかもしれませんね。シャバで嫌な上司に頭下げて汗水垂らして働くなら、嫌な奴殺して、刑務所暮らしでいいみたいな。ただ、一家殺害、どう考えても死刑ですよね。この曖昧さがよくわからないのです。
2017/08/06 00:41 by 川 URL 編集
No title
快楽殺人かどうかは、私も最初疑問に思っていました。犯人は恐らく泰子さんとにいなちゃんを暴打したあと首を締めて殺そうとしたのではないのか? そして意識がなくなり死んだと思い込んでいた。しかし、意識を取り戻し、階段からすべり落ちて生きていることを知った。そして、今度は確実に息の根をという行動だったのではないかと。死後もなお遺体を損壊したのは、遺体などが死後も動くことがあり、先のこともあって死への疑念が拭えなかったのかと考えていました。しかし遺体の損壊などの行為をみていると、どうもそれだけではなく、遺体の損壊自体に興味の対象があったのではないかと思えてきました。リンクしていたページに書いてありましたが、本当は浴室で遺体を更にバラバラにしたり、そういったことまで本当は視野に入れていたのかもしれないません。
現場を見る限り、物凄いエネルギーを感じますよね。それが何に起因しているのかはわかりませんが、何かの恨み、思い込み、正義感なのか? ただなんというか、指紋を血液を残しながらも捕まりたくないという行動にも走る。まるで現場に2人の人間がいたかのような、相反する二面性という不可思議な行動が観られるのはとても不思議なことです。だからこそ犯人像や目的が絞りきれず、ここまで来てしまったのではないかと。遺体を損壊するような輩が、何故遺体を何かで隠すような心理が働いたのか?
2017/08/06 12:42 by monazite URL 編集
コートは学校指定でありながら、休みの日は、コートだけは、いい素材なので羽織りたい。コートの内側の服は、あまり見えないわけですから、後は、ズボン、カジュアルすぎるのも変だし、ガラパンも合わない。なので、学校の制服のズボンだったということも有り得る気がします。特にブレザーなら、黒や紺だけでなく、深緑など、ファッションに合う感じだったのだと思います。
2017/08/07 01:28 by 田島 URL 編集
犯人の服装については私は何も信用して無いです。みきおさんのトレーナーを着たか、持ち去りなどあのトレーナーを着て歩くのは若者には抵抗ありそうだし。砂などから、海外や三浦などスケーターを疑いますが、あくまで仮にですが、服を全て盗み犯行に使えばいいと考えた可能性もありかなと。確かに指紋や血、大便まで残す雑さが有るのに服は気にするか?と言われたらどうしようもないのですが。ズボンの色は白系にしなかったのはやはり返り血に事を考えてはいたので殺害目的と思います。
2017/08/08 08:48 by 和人 URL 編集
No title
というのは、非常に際どい技をやったりして転ぶことも珍しくないですから、破れてしまって仕方ない。さらにファッション性というか形にも一定のこだわりがあった彼らが、これらの格好でヨシとしていたかは疑問が残るわけです。もちろん殺害を前提にしていてスケボーをやる気が当日なかった。あるいは、はなからスケボーとは関係ない人間だったということか。
事件前の不審者の目撃が犯人だったと仮定すれば、目撃情報は黒いズボン、もしくはジーンズという情報があります。
黒いハンカチをすべり止めにしていたり、香水をハンカチにかけていたりしていたことを考えると、明らかにこの事件は最初から殺害を前提に入り込んだ可能性が高いということだと思います。
犯人は何かしら黒という色にもこだわりがあるらしく、多くのものが黒で構成されています。返り血もそうですが、この色に何か強いこだわりがあったように思われます。
2017/08/14 21:14 by monazite URL 編集
2017/08/19 01:31 by 田島 URL 編集
No title
2017/08/21 00:27 by monazite URL 編集