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世田谷一家殺害事件を考えるにあたり

私は、事件発生以来14年近く、この事件の存在を知りながらも、詳細を知ろうとは思いませんでした。元々私自身に、「未解決事件」を考察する趣味や「推理小説」に興味を示したり、「凶悪事件」に関心を持つ人間ではありません。これ以外に関心を示した事件は、「3億円事件」や「グリコ森永事件」ぐらいでしょうか。

たまたまテレビで「世田谷一家殺害事件」の特集番組をみたのがキッカケでした。被害者家族に対する特別な思いや犯人を逮捕したいという正義感があるわけでもなく、何か釈然としないこの事件に対するモヤモヤした気持ちを、少しでも整理できないかと思ったわけです

そのため私は、他の事件に対して詳しいわけでも捜査方法を熟知しているわけではなく、素朴に素人が感じたことを述べてゆきたいと思ってる次第です。この事件の詳細は ウキペディアにある「世田谷一殺害事件」などを参照して頂き、ある程度事件に対する予備知識があることを前提に話を進めてゆきます。

過去の記事の一覧は、こちら から。

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事件から20年の年末報道

事件から20年ということで、昨年末には多くの特集記事や番組で「世田谷一家殺害事件」が振り返られていました。そんな中、気になる情報が幾つかあったので、改めて考えてみます。

吉祥寺 包丁購入男の画像が鮮明化

事件前日に、事件に使用された 関の孫六 銀寿 の包丁を購入されたことがわかっている場所は、都内でも数箇所あったという。その中で、購入者の顔を収めた防犯カメラが1台だけ存在していた。その映像が、最新のデジタル技術化で鮮明化され、男のことを知る人間がみれば、誰だか分かるレベルになったという。

すでにこの男の似顔絵は、目元を隠す形で一般に公開されている。しかも男は、目尻に特徴があるいう。目尻に特徴があるということは、目尻が凄くつり上がっているとか、下がっているとか、ホクロや傷があるなど、わかりやすい特徴があるのだろう。特にこの事件では、目尻がつり上がった男の目撃情報もあり、その関連性も気になるところだ。

ただし、あくまでもこの吉祥寺で包丁を購入した男は、唯一防犯カメラで画像が収められていただけのこと。それでも犯人像に近い男だったことや、他の遺留品を揃えることができた 荻窪 から二駅と近いことなどから警察も重要視しているのだ。しかし、犯人だと断定できるほどの証拠はなく、あくまでもその可能性があるといった程度。他にも、包丁を事件前日に購入した目撃情報としては、小田急線の経堂駅で、ぶつぶつ言いながら、包丁売り場にいた怪しい男などの目撃情報も有力視されているが、どちらも犯人だと断定できるレベルではない。しかし映像の鮮明化かよって、新たにわかることも少なくはないだろう。

DNAから犯人の人相が

現代のDNA解析技術では、あごの大きさ、目の幅、鼻の高さなどなど、かなり精巧に本人の顔を再現できるレベルまで来ているという(以前NHKでもそういった番組がやっていて、その精度に驚かされた)。それだけに、先の吉祥寺の映像が犯人なのか? あるいは、他の様々な目撃情報とも照らし合わせながら、どの情報が事件と関連しているのか? 情報の選別にも使うことはできるはずだ。私のあくまでも推測ではあるが、警視庁は現場捜査員にまで情報を開示しているかは別にしても、この顔の再現を依頼し完成させるところまで来ているのではないかと推測している。その上で最近は、捜査方針なども決められているのかもしれない。それが、フィリピン北部のハンカチの使い方の話とも関連している可能性もある。

「事前旅客情報システム」の捜査活用

昨年9月に、事件当時現場近くにある留学生会館に住んでいた韓国人が、日本の地方空港へ入国する情報を「事前旅客情報システム」を使って突き止め、捜査員を派遣していたことが明らかになった。すでに警察庁が、こういったシステムを捜査に活用していたいう事実に驚かされた。というのも、明らかに犯人だと該当しているような人物ならばわかるが、あくまでも参考人の入国にまで幅広く活用されていたからだ。警視庁は、当時留学生会館に住んでいたもの、あるいはそこに知り合いがいて現場周辺を頻繁に訪れた人物などを対象に、捜査を続けていることは以前記事になっていた。この話こそが、 カンベX  なる人物の話ともつながってくるのかもしれない。しかし男は、事件とは無関係であったことが明らかになったという。

フランス人ハーフの話の相違

また昨年末、事件当時「週刊文春」の編集長をしていた 木俣正剛氏が、世田谷一家の事件について記事を書いている。

そこで捜査線上に浮かんだ、フランス人ハーフの話についても触れられている。そこには、「捜査班は密かに渡仏。捜査令状なしで「容疑者」の母親を尾行して、ごみ箱から母親のミトコンドリアDNAを入手しましたが、完全には一致しませんでした。」と書かれており、私の知っている情報とは内容が異なっていた。

このフランス人ハーフについての詳細は、作家・麻生幾氏が「文藝春秋」に寄行した「世田谷一家殺害事件・18年目の新事実」
に詳しく書かれている。にいなちゃんが通っていたバレイ教室に出入りしていたフランス人ハーフの青年が疑われた(男は当時20代後半)。その男が捜査線上に浮かんだ話は、この事件について詳しい人ならば一度は訊いたことがあるだろう。しかし捜査本部が注目したのは、この男だけではなく、その家族がX国に留学しているものがいたという。どうもそちらを、捜査陣は疑っていたようなのだ。この記事では国名こそX国と伏せられていたが、その国の主権侵害にあたるので捜査員の派遣を見送られた。その代わりに、X国に支局のある新聞社の記者に、男の指紋の付いたコップを手に入れ送ってもらった。しかし、それとは一致しなかったという。

ということは、指紋だけでは諦めきれないと、その後実際に捜査員を送ってまでDNAを入手しようとしたということなのか? しかし、ここでまた一つ気になることがある。なぜDNAを入手するのに、男ではなく男の母親のミトコンドリアDNAを入手しようとしたのか? 現地に行っても、その男自身を見つけることができなかったということなのか? いずれにしても、完全には一致しなかった という。またこの書き方もちょっと曖昧で、完全には? とはどういうことなのか? 裁判の証拠になりうるだけの一致ではなかったことをを意味するのか? 「その後この容疑者は、日本には帰国していないので、この捜査は進展していません。」という書き方も、完全にはシロだと断定できるだけの材料は揃っていないということなのか? 極めて端切れの悪い書き方となっている。


またもう一つ、年末に驚くべき記事が発表された。それに関しては長くなりそうなので、次回に詳しく触れてみたい。

世田谷一家殺人事件20年目のスクープ 最終回

事件から20年を迎える年末、フジテレビにおいて久々に「世田谷一家殺害事件」を特集した番組が放送された。その番組で、様々な新たな知らなかった事実が明るみになったり、今までの情報との整合性がとれないものも出てきた。ここまで3回に渡って考えてきたこのシリーズも、今回が最終回となる。

母親の系統は、イタリア・ボスニア などのヨーロッパ系の可能性

事件の遺伝子検査を依頼された医師が番組に登場し、これまで警察が公にしてこなかったDNA解析の結果が明らかにされた。すでによその記事でも伝えられていた通り、母親の系統は、アンダーソンH15型。これは、日本人にはいない特殊な型だとされいている。さらにインド人でも調べられた中では該当者は1人で、ヨーロッパに該当するものが9人ほどいたという。当時発見されたばかりの珍しい型であり、母系はイタリアやボスニアなど、アドリア海沿岸の国々でみられるため、母親の系統は欧州系の可能性が極めて高いのだという。

父親は、日本・韓国・中国 などの可能性に加え、フィリピン北部のルソン島に一定数みられる系統

父親の血統である O2a2b1(O-M134) は、中国北部で発祥としたグループで、そこから朝鮮半島を経由して、日本にも一部流入していたり、昨年ハンカチの特殊な使い方をするフィリピン北部のルソン島にも一定数みられる血統であり、その可能性は捨てきれないという。

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最もこの系統の比率が高いのは、実は 日本でも韓国でも中国でもフィリピンでもなく、ビルマ(現ミャンマー)やその周辺だとされている。あくまでもこの番組では、フィリピンのルソン島と事件を関連づけたいがために、その可能性がある地域としてルソン島にクローズアップさせた形。確率的に言えば、朝鮮人が日本人よりその比率が高いから犯人は韓国人に決まっていると断定するような記事もみられるが、その論理で言えば圧倒的に父親はビルマ周辺の可能性の方が高くなってしまう。まして日本では少数とはいえ、該当する日本人男性は数百万人はいると考えられており、フィリピン人も韓国人も日本人も、その可能性があるという範囲の話でしかない。

現在言えるのは、アドリア海周辺を起源にする欧州系の母系と、東アジア系男性の血を引く・ハーフ及びクォーターあたりではなかったのかということ。ただしこの血筋の人間は、かなり日本社会においては特殊な存在であったことは否定できない。ちなみに事件前日に、成城学園前の成城橋で目撃された男は、彫りの深い顔立ちだったとされている。

現場に入った精神科医の意見

1,反社会性・サイコパス

この精神科の医師によると、犯人はサイコパスだったのではないかと。サイコパスとは何かと言えば、精神病と健常との中間状態。精神病質を持つ者とされている。「精神病質とは,性格の極端さのために自分や他人が悩む症状につけられた病名」。反社会性パーソナリティ障害の一般人口における有病率は、男性3%、女性1% の割合で、日本にはおおよそ120万人程度は存在するという。その全てが、凶悪事件を引き起こすわけではけしてない。ただし、犯人は 人を殺してみたかった類の人間 ではなかったのかという考えを私は持っており、この意見には同意するものがある。

自分の欲求を抑制できない性格

この医師によると、アイスを5個も食べるというのは、自分の欲求を抑制できないタイプの人間だったのではないかと。我々が、あんな狭い風呂場の窓から、周りから見えてしまうような場所から侵入するものなのか。まだ家人が起きている可能性が高い時間帯に侵入することなどあるのか、そういった常識よりも、人を殺してみたいという欲求の方が優先してしまうような人物だったのではないかと。すなわち、我々の感覚や常識が、極めてあてはまらないような特殊な思考の持ち主だったと考えられ、この医師のいうことは個人的には納得できるものがあった。

礼君の殺害方法が違うのは、シンパシー(共感)を感じていたのでは?

犯人は自分と同じような境遇だったり障害を持った礼君に対し、残忍な殺し方ではなく首を絞めて扼殺したのは、彼に何かしらのシンパシーを持っていたからではないかと指摘する。ただしこの考え方に関しては、私は否定的である。というのは、それならば何故礼君を、他の家族を殺す前に一番最初に殺したのだろうか? それも犯人は、侵入してすぐに寝ている礼君に近づき、率先して殺害している。もし二段ベッドの上に、にいなちゃんも寝ていたら同じような殺し方をしたのだろうか? 未だに、なぜ礼君しか寝ていないことがわかったのか? にいなちゃんも寝ていた場合どうするつもりだったのか? そんなことすら端から頭にはなく、家族を皆殺しにしたいという欲求の方が優先していたのかもしれない。

私は、快楽殺人犯にみられる、いろいろな殺し方を試してみたかった。その一環で、別の殺し方をしただけではないかと考えている。あるいは礼君には、声を出されては他の家族に気づかれる、そういったっ事情からこの殺害方法に至ったのかもしれない。いずれにしても、礼君にシンパシーを感じていたから扼殺になったという考えには否定的である。

女性や女の子の殺し方が残忍なのは

母親の泰子さんや長女のにいなちゃんへの殺害は、非常に残忍なものだったとされている。これに対し精神科医は、母親や女性のきょうだいなどの家族がいて、女性が憎悪の対象になりえるような環境だったのではないかと。私も以前からこの説をとっており、特に泰子さんへの執拗な危害は母親への強い憎しみ感じさせる。また幼い にいなちゃんへの同様の仕打ちは、母親のみならず女きょうだいなども家族にいて、女性に対し性や恋愛の対象とは見ることができず、敵視する存在でしかなかったのかもしれない。

顔の肉をえぐったり顔の線に沿って刃を立てたり、幼いにいなちゃん相手に前歯が砕けるほど殴打するなど、通常の感覚の人間がやれることではないだろう。これは、女性や子供など弱いものに対し特別な思いがあったのではないかとしか考え難い。ある意味、女性や動物など弱いものをいたぶることで、性的欲求を満たすのに近い興奮を、この男は得ていた可能性も否定できない。また犯人の興味は、むしろ人は事切れる時にどのように死ぬのか。あるいは、遺体の損壊こそ犯人の最大の興味だった可能性もある。というのは、傷の半分以上が死後付けられていたというから、殺すこと以上に別の目的があったと勘ぐられてもおかしくはないだろう。

動機の犯人と実行犯は別なのでは?

この精神科医の意見としては、事件を依頼したものと事件を起こした実行犯 の二人が存在していてもおかしくはないのではと述べている。確かにこの事件がとても不可解なのは、非常に二面性を感じさせる現場だったからだ。事件前の目撃情報の中にも、40代ぐらいの中年と若い男の二人の目撃情報が多く、飛び出しマンとは実行犯ではなく依頼したもうひとりの犯人(主犯)だったのではないかと番組では述べていた。この説は、多くの人が以前からその可能性について指摘してきた。いずれにしても現在わかっているのは、現場に侵入したのは一人だったということだ。

特殊なハンカチの使い方をする傍らには

特殊なハンカチの使い方を実際やっていた人間を探しに、スタッフはフィリピンに飛ぶ。そしてマニラからフィリピン北部のイロコス地方へと取材場所を移し、20年前この特殊なハンカチの使い方をしていた人物を見つけ、実際にやってもらう場面が映される。それは、警察もその一年前に、この地域の軍人やギャングが、このような特殊なハンカチの使い方を用いると公式に発表していた通りだった。そこで私が気になったのは、このハンカチを使った特殊な方法を実践して魅せた男が、ヒップバックではないものの同様の小さなバックを肩からかけていたことである。この地域の人間は、そういったバックを常に身につける習慣が当時からあったのかもしれないということ。警察はもっと深いところまで、事件とフィリピン北部地域との繋がりを掴んでいるのかもしれない。

ちなみに2000年当時、日本に出稼ぎに来ていたフィリピン人は6万2000人にも及んでいたという。また沖縄返還前には、沖縄の米軍基地には英語のできるフィリピン人が多くが働いており、その一部が今でも沖縄に定住しているという。そのイロコス地方は、旧スペイン領だった時代が長く、欧州系との繋がりも深い地域。さらにルソン島中部には、米軍のクラーク空軍基地が1990年まで存在していた。そのため米軍と現地人との間には、多くのアメリカ系フィリピン人が産まれ存在しているなど、欧州系統とフィリピン北部の現地人が、何かしらの形で軍を通じて結びつく可能性があったことも無きにしもあらずだったということになる。

世田谷一家殺人事件20年目のスクープ 3

事件から20年を迎える年末、フジテレビにおいて久々に「世田谷一家殺害事件」を特集した番組が放送された。その番組で、様々な新たな知らなかった事実が明るみになったり、今までの情報との整合性がとれないものも出てきた。今回も、新たに浮き上がった疑問について考えてみた。

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一階~中二階に土足痕

以前TBSで、この事件を扱った時には、あえて一階の足跡が血の着いた足跡なのか?土足痕なのか?の情報はボヤかされハッキリ示さなかった記憶がある。そのため、上記の見取り図の足跡では、これがどちらなのかわからなかった。

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しかし今回の番組では、一階~中ニ階までに土足痕があったとハッキリ述べていたのだ。するとTBSがお茶を濁した1階の足跡は、土足痕だった可能性が出てくる。また別の記事には、家にかけつけた捜査陣が靴下でそのまま入ってしまったため、その前に入ったはずの救急隊員の足跡すら、現場には残っていなかったという話もあり情報は錯綜している。今回はTBSが記した犯人の足跡が、土足痕 だったと仮定して考えてみたい。

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土足痕が色濃く残っていたのは、中二階踊り場近辺~子ども部屋の入り口付近だとされており、犯人は浴室の窓から侵入した直後に、まず子ども部屋に入って礼君を殺害したと考えられている。そしてその後は、二階のリビングに行き着てきた服や荷物などを置いて、包丁を用意し臨戦態勢を整えてから、一階にいる みきおさんの襲撃に向かったとされている。

一階に向かう階段にまで土足痕が残っていたことは、以前のTBSの番組でも触れられていた。そして、さらに一階に残されていた足跡が土足痕だった場合、みきおさん殺害後、犯人はまず一階の玄関に行って鍵の施錠を確認したのではないのだろうか? もしくは、玄関から招かれて入れられたとすれば、玄関の鍵をかけて外部からは入れないようにしたと考えられる。ただし、もしそうならば、なぜ玄関にあるドアチェーンをかけなかったのか? という疑問が残るのだが。そうすれば、仮に鍵が開けられようとしても時間を稼ぐことができたはずななのに。そこから考えると犯人の土足痕は、あくまでも玄関が施錠されていたかの確認のみだったのかもしれない。少なくても犯人が、鍵に触れた痕跡は確認されていない。

金銭目的ならば何故、銀行の閉まっている年の瀬の犯行なのか?

当時も年末年始には金融機関が閉まり、利用できるATMも殆ど存在しなかった。ただし2000年当時でも、一部のATMは稼働していたことが確認できているので、犯人はその極一部の引き出し可能なATMで下ろせることを知っていて犯行に及んだのだろうか? 

例えば犯人が外国人で、すぐに高飛びする前に事件を起こしたとしたならば、そういった一部のATMでしかお金が下ろせないことも理解して行ったのか? その割には一階本棚のところにあった現金などをはじめ、貴金属類の類も盗むことなく逃走しており(物色する時間も充分にあったのに)、単なる物取りというのとも違う気がするのだ。多額の現金をATMで引き出すにも、年末のATM事情をよく理解したものがいなければ、正月明けまで下ろすことができなかったはずなのだ。

浴室には土足痕がない

現場捜査の指揮をとった幹部が、このように発言しているのは興味深い。恐らく、侵入した窓枠に繊維痕が残らないのもおかしいと発言した情報元は、この幹部による考えが大きかったのではないのだろうか。また浴室の土足痕に関しても情報は錯綜していて、足跡の一部はあったが犯人のものと特定するほどのものではなかったという話もあるので、どの情報が正しいのかの判断は難しい。また侵入の際に繊維痕がいうわりに、逃走の時に痕跡が残らなかったことに関して言及しない(犯人の服装が軽装になりつかなかったとしている)のは、都合の良い解釈だという見方もできなくはない。

私としては、侵入の際には頭から雪崩こんだのではなく、給湯器や窓枠に足跡らしきものがあることからも、窓の前に立ちながら身体をくぐらせて入ったのではないかと考えており、痕跡が残り難かったのではないかと。またビニール素材のような、繊維痕が残り難いものを着ていた可能性も否定できない。

ためらいのない殺害方法には、みきおさんに強い恨みが

犯人にとっての最大の懸念材料は、成人男性である みきおさん の存在だったのだろう。みきおさんを殺害しようとして一階に向かったとはいえ、階段途中での遭遇は犯人にとっては想定外だったのかもしれない。みきおさんをめった刺しにしたからといって、みきおさんに恨みがあったのかどうかは個人的に疑問を持っている。むしろ、女性陣に対する執拗な危害の加え方の方が、私にはこの事件の背景となるものが現れているのではないかと考えている。

止血に使ったもの

止血に使ったナプキンが、一階の机の上にあったことは今回の番組で初めて知ったことだった。また止血したタオルとは、台所にあったタオルを使用したこともわかった。タオルを何枚も使ったということでなければ、止血したタオルは、浴槽の湯船の中に投げ捨ててあったはずだ。また止血したナプキンは、これまでこの浴槽の中に投げ入れられていたとされていたので、一つだけでなく複数のナプキンを止血に利用したのではないかと考えられる。さらに、持ってきた手袋を逆さにつけて止血を試みようともしていたことも、この番組で知った事実だった。

ちなみに止血にナプキンを使ったので、そういった知識を持っている軍隊経験があるものではないかとかプロの仕事ではないかという話もあったが、捜査員によるとナプキンの裏面をあてがい血液を吸収しない面を使っていたことからも、軍隊などの経験者とかとは違うのではないかという見解も述べている。

大きな引き出しは、必ず傾いて中身がこぼれるはず

ロフトへのハシゴを下ろしたままにしていると、一階にあった引き出しを浴室に持ち込もうとすると傾いて中身がこぼれるはずだという。しかし、多くのものを浴槽に選別して投げ入れた割に、中身は一切中二階の踊り場には転がっていなかった。犯人は、落としたものをそのつど拾い集めて、浴室に持ち運んだのではないのかと捜査幹部を語っていた(普通そんなことはしないはずだと)。

ただし別の捜査幹部の話では、ハシゴは歩きやすいように同線を確保するために少し折りたたんでいたのではないかと。その証としてハシゴの踏み板の後ろには、犯人の血の着いた手の跡がハッキリと残っていたという。すなわち、止血をする前の比較的早い段階でこのことをを行った可能性が高く、一階の引き出しを運び込む時には中身が落ちるほど傾けなくても通れたのかもしれない。

先の捜査幹部は、落とした引き出しの中身をわざわざ拾って浴槽に入れたのは、偽装工作だったのではないかと。金銭目当てに見せかけるためで、犯人の動機は怨恨だったのではないかという説を唱えていた。こればかりは、実際にこのロフトへのハシゴの状況がどうだったのか? は検証した捜査員でしかわからない部分なので、私にはなんとも言えない。

元成城署の署長だった 土田猛氏は事件当時 検視 を担当

犯罪被害者の会である「宙の会」の発起人であり、遺族に寄り添った活動を警視庁退官後もされている 土田 猛氏。殺人事件における時効撤廃にも、大きな役割を果たしたと言われる人物だ。事件当時は、「検視」を担当されていたというから、被害者の遺体を直に目にした一人だったのかもしれない。

殺害現場というのは、一部の捜査関係者にしか目にすることができず、ヒラの刑事が遺体を目にすることは実際はほとんどないのだという。そういった状況を目にしたのは、鑑識などの捜査員や捜査幹部・検視などに携わった極一部の捜査員しかいなかったはずなのだ。その一人が、この土田氏だったのかもしれない。私などが抱く警察の検視の仕事となると、 内野聖陽が演じた「臨場」のイメージだろうか?

ちなみに今回調べていてわかったのだが、「山ほど殺人事件を捜査してきたが、こんなむごい現場を見るのは初めてだった。」という言葉を残したのは、鑑識課幹部(当時)として現場に臨場し、後に捜査1課長を務めた久保正行氏の発言が元になっているようだ。日本で最も多くの殺害事件を担当している、捜査一課の鑑識の人たち。その人をして、こう言わしめたのだから、実際表にはされていないが、想像を絶する凄惨な状況だったことは想像に難くない。

そしてこの事件は、同じ捜査幹部でも犯人の見立ても違えば伝わってくる情報まで違っていて、どの情報を信じればいいのかわからなくなる。そのため、どの情報を重視するかで全然その後の展開が変わってきてしまう。捜査関係者ですらそうなのだから、20年以上の月日が流れても事件の解決に至っていないのは偶然ではないのだろう。

世田谷一家殺人事件20年目のスクープ 2

事件から20年を迎える年末、フジテレビにおいて久々に「世田谷一家殺害事件」を特集した番組が放送された。前回はその番組の中で知り得た新たな情報や疑問点をとりあげたが、今回もその続きを行って行きたい。

引き出しを持って上がり降りを何回も繰り返した

宮沢家一階の階段横にあった物入れの引き出しを持って上がり、その中身を選別したあと浴槽に投げ入れた話は良く知られた話である。しかし私は、中二階の浴槽に持って上がったのは、このうちの一段だけだと思っていた。しかし、この番組を観ていると、これを何回も繰り返したのだという。

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というのは、引き出しの一つが、中二階の泰子さんとにいなちゃんの遺体のそばに置かれていたからで、私はその一段だけを何故か持って上がったのかと思っていたのだが、他の段のものも上げて、空にして持って降りたのだということになる。というのは、この引き出しの二段分は、みきおさんの遺体の上に置かれていたからだ。犯人は、なぜか引き出しの中身を選別し浴槽に投げ入れただけでなく、空の引き出しを持って階段を降り みきおさんの遺体の上に乗っけるという作業をしていたことになる。

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もう一つ引き出しが確認されるのが、2階のリビング。しかしこちらは、1階にあったものではなく、恐らく食器戸棚の引き出しが一段引き抜かれていたので、それをそこに置いたものと考えられる。そしてその中身は、2階のテーブルの上や二階リビングの床にばらまいたのではないかと。

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4つ目のアイスを食べながら食器戸棚を物色した ・・・

こういったナレーションがあったのだが、なぜ4つ目のアイスを食べながらとわかったのだろうか? 例えば、最初の三個には犯人の血液が付着しており、止血を終えていなかった。しかし、4つ目には血液が付いていなかったからなのだろうか? それと5つ目のアイスとの違いは、何処から生じたのだろうか? 5つ目は、食べかけのアイスだったから、それが4つ目だとわかったのだろうか? 何気ないことだが、何かしら根拠となる犯人の行動が読みとれる証拠があったのだろう。どうも物色した順番は、1階から行っていったという話もあり、2階リビングはかなりあとの方だったと考えられていたのかもしれない。

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浴槽にばらまいた中身

浴槽に放り込まれたものは、泰子さんの塾関係の書類・みきおさんの仕事関係の書類・あるいは、領収書などの類。さらに、止血に使ったタオルや食べたアイスのカップの一つ。そして、中身を抜き取った泰子さんの財布等などであったと。また、チラシなどもちぎって、そこには投げ込まれていたと伝わっている。

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今回、その浴槽を写した画像の鮮明なものが番組でも映し出されていた。そこで目に留まるものをみると、切手のシートなどが多数・健康保険書らしきもの。そして以前から気になっていた、写真右上に見える黒い物体は、くるぶしまで覆うような部屋履きの履物の片方であるように見える。しかし、これに対する情報は、未だかつて存在しない(それは何故なのか?)。これは、屋根裏部屋に続く、ハシゴの下にでもあったものを邪魔だからといって投げ入れたのだろうか? ちなみに、みきおさんが部屋で履いていたスリッパは、中二階に続く階段の下から4段目と遺体の上に乗っかって残っていたようなのだ。

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みきおパソコン中央のアイコンをクリックしてミュージカル劇団のサイトにアクセス

これまで、犯人がどうやって様々なHPを閲覧したかは明らかにされていなかった。そこでキーボードを触った形跡がないことからも、みきおさんのブックマークや履歴に基づいて閲覧したのではないかと推測されていた。しかし今回、犯人がチケットを購入しようとしたという、劇団四季 のHPに関しては、みきおパソコンの中央にあったアイコン をクリックすることで閲覧したことがわかった。犯人が検索して出したのではなく、やはりみきおさんがそういったものに強い関心があったからだろう。ちなみに劇団四季には、会員制カードなるものがあったらしいので、犯人は物色中にみきおさんの財布からそのカードなりを見つけて使えるかどうか試した可能性も捨てきれない。ただしチケットの購入には失敗したということなので、何かしらのパスワードに引っかかったものと考えられる。

犯人が奪ったものは、塾の月謝15万ほど

事件前に、年内最後の授業日に塾の月謝を回収。そして、くもん塾のアシスタントのバイト料も支払われていたという。また本部に収める分も、恐らく銀行に入金したあとだったため、宮沢家の取り分であるお金の一部が15万ほど合わなかったということで、持ち出された現金は15万ほどだったのではないかということになっている。よく言われているように、家中を物色した割に一階本棚のところにあった6万円強の現金は手つかずであり、さらに冷蔵庫横の封筒に入っていた現金も手をつけられていなかった。本当に、犯人は何処まで現金に固執していたかは微妙な状況なのだ。少なくても少額の現金にはあまり興味はなく、もっと大金が家にある。その情報を手に入れることが、犯人の大きな目的であった可能性も考えられる。しかし金に困った犯罪者が、数万単位のお金を無視するというのも、現金が目的の犯罪としては何か不思議な気はするのだ。また小銭に関しては、犯人は音も気にせずに床に撒き散らしたというのだ。

携帯が3台

宮沢家2階リビングのソファーの上には、銀行の通帳やカード・パスポートなどが並べられていたという。また、その近くにあったノートには、暗証番号を割り出すのに使った宮沢家にあったノートが置かれていた。またそのノートかはわからないが、止血に使った絆創膏が貼り付けたれたという。特にほかでもチラッとは聞いていたのだが、宮沢家で使用していた携帯も3台ほど一緒に置かれていたようなのだ。そのため携帯なども使って、暗証番号を解読しようとしていたのかもしれない。犯人が家中のものを荒らして探していたものとは、これらのものだったのだろうか? そんなものを探すために、わざわざ書類を選別する必要があったのかには疑問が残るのだ。

侵入して7時間は居座った 

この番組では、犯人は7時間居座ったとナレーションが流れる。一体、この7時間とは何処から来るものなのか疑問に思った。家族の死亡推定時刻は、30日の23時半 ぐらい。そこから7時間だと想定すると31日の朝の6時台を指すことになる。その根拠となるものが、私はには全くわからない。

大まかに逃走時間と言われているものには二つあって

1,31日1時過ぎの1回目のネット閲覧のあと(事件から2時間後)

2,隣の親族が訪ねてきた31日の10時過ぎ (11時間以上)


朝方に逃走したのではないかという考えは、私もそうだったのではないかと考えているので異論はないが、その根拠となる明確なものは一切存在しない。23時ぐらいに侵入したとして、翌日の6時だとするには、何か有力な根拠がないとおかしいのだ。そこには、何か怪しい人物を目撃した、あるいは容疑が疑われるものが何かに映っていたなどがなければおかしなことになる。交通機関が動き出すのを待っていたとしたら、朝の6時ではなくもっと暗い5時あたりに逃走するだろう。なぜ、7時間という時間が出てきたのだろうか? それもこれは警察の共通認識ではなく、まさに隣家族が訪れた時に逃走したと考える捜査方針だった時もあったわけで、何かの情報を重視した時に浮上してくる時刻なのだろう(少なくてもフジテレビの見解ではあるまい)。

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電話線を抜いたのは、一階階段下

31日の10時過ぎに、隣家の家族が電話を入れた。その電話線を、犯人がうるさいからなのか?切ったのが再現されていた。その電話こそが、一階階段下にある電話だったのだ。もう一つ疑問とされるのが、何故か犯人は電話線だけでなく、インターネットの回線も抜いている。それは、一体何処にあったのかという疑問である。

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上記の写真は、その一階階段下にあった電話機の画像である。犯人が電話線を引き抜いたというのは、再現映像をみると、ここのコンセントを引き抜いたということになるのではないのだろうか。この写真を見る限り、これは電話ではなくドアフォンでしかないのではないかと。そのためこの受話器は、隣の家とのやりとりと外のインターフォンにしか対応していなかったのではないかのように見える。

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またインターネットの回線らしきものは、駐車スペースの窓側からそれらしき線が見受けられる。そう考えるとネット回線を引き抜いたとすれば、1階の机の下あたりか、玄関入り口に近い場所にあり、それが抜けていたのではないかと想像する。それを犯人自ら引き抜いたのか? あとから入ってきた隣家の家族が誤って抜いてしまったのかは定かではない。しかし何度も過去に書いたが、当時のインターネットの回線は、ソケット式でちょっとやそっと引っ掛けるぐらいでは抜けるような代物ではなかったのだと思うのだが・・・。

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今回も細かい部分について長々と触れたが、まだまだ疑問の部分が残るので、また次回もこの番組について考えて行きたい。

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世田谷一家殺害事件 の犯人像について、モナザイト の主観で事件を考察します。

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